除籍簿の廃棄、滅失について

相続による不動産の名義変更(相続登記)をおこなう場合、相続関係を証明するために原則的に被相続人の出生から死亡時までのすべての戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍)が必要になります。

除籍謄本や改製原戸籍の保存期間は平成22年改正により150年に延長されましたが、それ以前は80年であったため、保存期間の経過により除却されてしまい、取得できないことがあります。

戦災や震災の影響で、戸籍謄本の原本自体が焼失してしまい、再製できない場合もあります。

ここがポイント!

戦災や震災、保存期間の経過により、除籍謄本等が取得できない場合がある

除籍簿等が廃棄、滅失等により取得できない場合は「廃棄処分(火災消失)により除籍謄本を交付することができない」旨の市区町村長の証明書のほかに「他に相続人はない」旨の相続人全員の証明書(印鑑証明書付)を提出して相続登記をおこなうことができます。

この場合の相続人には相続放棄した者も含まれます。

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「他に相続人はない」旨の証明書は独立した書面でなくてもよいので、遺産分割協議書や特別受益証明書の中で「他に相続人はない」旨を記載したものでも構いません。

また、市区町村長の証明書のほかに寺の過去帳に基づいて当該相続人が死亡し、かつ、その者に子がなかったことを認定できる寺の証明書があれば、相続人の証明書の提出は不要とされています。

ここがポイント!

市区町村長の証明書のほかに相続人全員の証明書が必要になる

他に相続人がいないことの証明書

本 籍   千葉市稲毛区〇町○丁目○番○号

住 所   千葉市美浜区〇町○丁目○番○号
被相続人 山田 太郎(平成○年○月○日死亡)

上記の者の相続人は私たちだけであり、他に相続人がないことを証明します。

令和〇〇年〇〇月〇〇日

住 所 千葉市花見川区○町○丁目○番○号
相続人 甲野 一郎 印

住 所 千葉市若葉区○町○丁目○番○号
相続人 乙野 二郎 印

告知書

本   籍   千葉県市原市
筆 頭 者   甲野 太郎
消除年月日   不詳

上記の除籍簿および東京法務局に保管の副本は、昭和○年○月○日に戦災で焼失しました。このため再製することができないので、除籍の謄本は交付できません。

令和〇〇年〇〇月〇〇日

○○区長 ○○○○

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