合同会社と有限責任事業組合
合同会社は、会社法によって新しくできた会社形態で、LLCと通称されています。
これに対して、有限責任事業組合に関する法律に基づく有限責任事業組合という事業体があり、こちらはLLPと通称されています。
合同会社と有限責任事業組合はよく比べられますが、以下に相違点を挙げてみます。
1. 合同会社は法人であるが、有限責任事業組合は法人ではない
2. 合同会社は法人であるため法人課税であるが、有限責任事業組合は法人でないため構成員課税
3. 合同会社は永続が原則だが、有限責任事業組合は非永続が原則
合同会社は、会社という文字が入っていることからも明らかなとおり法人です。
しかし、有限責任事業組合は、組合契約によって成立するもので法人格を有しません。
また、合同会社は法人のため当然、法人課税になりますが、有限責任事業組合は法人ではないので構成員課税となり、一定の要件を満たせば、事業体には課税されず、利益を受ける組合員に直接課税されます(パススルー課税)。
これは何を意味するかというと、合同会社だと法人と出資者への配当にそれぞれ課税されるので二重課税になるが、有限責任事業組合では構成員にしか課税されないので税務面で優れているといえます。
しかし、有限責任事業組合では、契約で期間を定める必要があるので、永続的な組織として発展させたいのであれば合同会社を選択するべきです。
なお、合同会社の設立方法ですが、株式会社に比べて簡易迅速に設立でき、公証人による定款の認証が不要です。
登記の際の登録免許税が最低6万円(株式会社は15万円)で済むため費用面でも優れています。
よって、社員が少人数で固定されていて、小規模な会社を運営していくつもりであれば、株式会社ではなく合同会社という選択もありだと思います。
また、合同会社の社員には、個人だけでなく会社でもなることができるため、親会社が子会社を合同会社にするという選択も可能です。
これに対して、有限責任事業組合の設立方法はというと、
1. 有限責任事業組合契約の締結
2. 出資の払い込み
3. 登記
となります。
なお、登記は組合の成立要件ではありませんが、登記をしないと第三者に組合員の有限責任を主張できないので、登記するのが通常です。
また、公証人による認証や行政庁への届出も不要で、登録免許税も6万円で済みます。
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