事業年度と現物出資

会社を設立しようとする場合、定款に事業年度を定めておく必要があります。

 

事業年度は1年を超えることはできませんが、1年を2事業年度以上に分けることは差し支えありません。

 

ただし、ほとんどの会社では、事業年度を1年としています。

 

事業年度の開示時期は自由に決めることができます。

 

なお、最初の事業年度に関しては

 

「会社設立の日から平成25年3月31日までとする」

 

等と定める必要があります。

 

実際に事業年度を決める場合には、消費税についても考慮しておく必要があります。

 

なぜなら、資本金が1000万円未満の会社については、設立1期目と2期目については消費税の納税が免除されるからです。

 

よって、最初の事業年度を短くしてしまうと、その分、消費税を納めるまでの期間が短くなってしまうわけです。

 

反面、最初の事業年度が丸1年になるように設定すれば、丸2年間は消費税を納めなくても良いことになります。

 

また、会社の設立に際しては、

 

「設立に際して出資される財産の価額又はその最低額」

 

を定款で決めておく必要があります。

 

つまり、会社の発起人が設立に際して、会社に払い込み又は給付する財産の総額を決めておかなければならないということです。

 

通常、出資される財産は金銭による払込みになることが多いのですが、必ずしも金銭でなければならないというわけではありません。

 

なお、金銭によらない出資を現物出資といいます。

 

現物出資の種類には、不動産・自動車・有価証券などがあります。

 

現物出資をすることで発起人は金銭を用意する必要がなくなりますが、現物出資の目的物が過大に評価され、不当に多くの株式が発行されると、会社の財産的基盤を危うくし、その結果、株主や会社に対する債権者に損害を与えてしまう可能性があります。

 

そのため、現物出資をするときには、その者の氏名や何を出資し、その価額がいくらであり、その者に対してどれだけの株式を発行するのかを定款に記載する必要があります。

 

また、現物出資をした場合、裁判所が選任する検査役の調査を受ける必要がありますが、例外的に現物出資の総額が500万円以下であれば免除の対象になります。

 

なお、検査役の調査が免除される場合でも、設立時取締役には出資された目的物の価額が妥当かどうかを調査する必要があります。

 

よって、現物出資をおこなって設立をする場合には、取締役が作成した調査報告書とその付属書類を添付することになります。

 

 

 

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