プロミスのブラックリストをCICから抹消したケースの解決事例
消滅時効が成立【SMBCコンシューマーファイナンス⑧】
相談内容
岡山県にお住まいの方から、CIC(シーアイシー)に登録されているSMBCコンシューマーファイナンスの事故情報を消したいとご相談がありました。
20年以上前にプロミスで借りた借金でした。
ご本人曰く、かなり前から請求書が届かなくなっており、10年以上は支払いも連絡もしていないということです。
住宅ローンの審査をする前に信用情報を取り寄せたところ、CICにプロミスのブラックリストが残っていることが発覚したということでした。
以下のページで、プロミスの対処法を紹介しているので参考にしてください。
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解決手段の検討
ご本人がCICから取り寄せた信用情報を確認したところ、契約内容は以下のとおりでした。
クレジット情報
- 登録元会社 ➡ SMBCコンシューマーファイナンス株式会社
- 商品名 ➡ カードローン
- 貸付日 ➡ 平成16年
- 残高 ➡ 48万円
- 遅延有無 ➡ 元本利息
- 返済状況 ➡ 【空欄】
- 異動発生日 ➡ 【空欄】
- 終了状況 ➡ 【空欄】
- 保有期限 ➡ 【空欄】
平成16年にプロミスのカードローンを利用し始めたものの、10年以上前から未払いになっていることがわかりました。
CICの場合、本来であれば【返済状況】の異動発生日で滞納時期が判明しますが、今回は【空欄】になっていました。
CICでは、滞納してから15年くらい経過していると異動発生日が空欄になっていることがあります。
時効の条件
- 最後の支払いから5年以上経過している
- 5年以内に支払いの話をしていない
- 10年以内に裁判を起こされて債務名義を取られていない
CICの場合、裁判を起こされて判決等の債務名義を取られていても、そのような記載は一切されません。
裁判の有無についてご本人に確認したところ、これまでに裁判所から訴状や支払督促が届いたことはないということでした。
よって、今回は時効の可能性があると判断しました。
債務名義とは
- 仮執行宣言付支払督促
- 確定判決
- 調停調書
- 和解調書
そこで、当事務所が内容証明郵便でプロミスに対して時効の通知を送りました。
その後、あらためてCICを確認したところ、SMBCコンシューマーファイナンスのブラックリストが削除されていました。
これにより、プロミスに対する支払い義務だけでなく、CICの事故情報を抹消することができました。
内容証明作成サービスは借金の支払い義務を消滅させるだけでなく、信用情報に登録されているブラックリストを消すことも可能です。
ご依頼件数8000人以上
アドバイス
プロミスは2012年に社名をSMBCコンシューマーファイナンスに変更しています。
そのため、プロミスで借りた借金を2~3か月滞納すると、信用情報機関であるCIC(シーアイシー)、JICC(日本信用情報機構)にSMBCコンシューマーファイナンスのブラックリストが登録されます。
引っ越しを機に請求書が届いていないような場合でも信用情報の開示によって、CICやJICCに事故情報が登録されていることに気がつくケースが少なくありません。
信用情報にブラックリストが登録されていると、基本的に住宅ローンなどの融資やクレジットカードの審査に通ることはありません。
よって、銀行から融資を受けたり、クレジットカードを作りたい場合は審査の前に信用情報からブラックリストを消しておく必要があります。
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CICやJICCに登録されているブラック情報を消すには借金を完済するか、時効の援用で支払い義務を消滅させる必要があります。
ただし、時効の援用ができる場合は完済するメリットはありません。
なぜなら、完済したからといってブラックリストをすぐに消してもらえるわけではないからです。
完済しても信用情報の回復でメリットがないのであれば、損害金も元本も支払う必要がなくなる時効援用を選択するべきといえます。
そこで、完済した場合と時効の援用をした場合をもう少し詳しく比較します。
まずは金銭面です。
CIC、JICCに登録されている残高はあくまでも元本の金額です。
よって、完済する場合は滞納している期間に発生した遅延損害金を加えた金額を支払う必要があります。
これに対して、時効が成立した場合は損害金だけでなく、元本についても一切支払う必要がなくなります。
ここがポイント!
完済する場合は滞納期間に発生した損害金も支払う必要がある
次はブラックリスト消えるタイミングです。
CIC、JICCともに完済してもブラックリストがすぐに消えることはなく、完済しても事故情報が消えるまで5年かかります。
ただし、JICCでは2019年9月30日以前の契約であれば、【異動参考情報等】に登録された「延滞情報」は延滞解消後1年で抹消されます。
完済からブラックリストが消えるまで
- CIC ➡ 5年
- JICC ➡ 5年 ※ただし、2019年9月30日以前の契約であれば「延滞情報」は1年で消える
時効が成立した場合はCICとJICCで事故情報が消えるまでの期間が異なります。
JICCでは時効が成立すると時効の起算日に遡って完済した扱いとなり、その時点で登録期間の経過によって事故情報がファイルごと抹消されます。
つまり、時効が成立すると1~2か月でブラックリストが削除されます。
これに対して、CICでは時効が成立してもブラックリストが消えるまで5年かかるのが原則的な運用です。
そのため、時効が成立しても【返済状況】の異動発生日はそのまま5年残りますが、支払い義務は消滅するので【残債額】は「0円」、【終了状況】は「完了」と登録されます。
また【保有期限】に5年後の日付が登録され、その日付をもって抹消されます。
よって、完済しても異動発生日は5年残りますが、信用情報は「延滞はあったが完済した」という情報に修正されます。
ただし、CICでも今回のケースのように【返済状況】に異動発生日が記載されておらず【空欄】になっている場合は時効成立後すぐにブラックリストが削除されます。
異動発生日が【空欄】になっているのは、おおむね15年以上前から滞納しているような場合ですが、実際にCICからクレジット情報を取り寄せて確認してみないとわかりません。
時効援用でブラックリストが消えるまで
- JICC ➡ 1~2か月
- CIC ➡ 5年 ※ただし、異動発生日が【空欄】であればすぐ消える
時効の援用をおこなう場合に気をつけることは、内容証明を送る前にSMBCコンシューマーファイナンス(プロミス)に電話をかけないということです。
なぜなら、電話で話をしてしまうと内容によっては債務承認となって時効が更新してしまい、時効の援用ができなくなってしまうからです。
「お金がないから払えない」「分割にしてほしい」「損害金を免除してくれないか」といった発言は債務承認に該当するのでご注意ください。
債務承認になる行為
- 残高の一部を支払う
- 和解書にサインする
- 電話で支払いの相談をする
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信用情報を取り寄せたところ、何もしていないのにブラックリストが消えていることがあります。
それは債権が信用情報機関に加盟している貸金業者以外に譲渡されている場合です。
なぜなら、債権回収会社はCIC、JICCに加盟していないからです。
よって、債権がサービサーなどの非貸金業者に譲渡された場合、CICでは5年、JICCでは1年で譲渡会社のブラックリストが削除されます。
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SMBCコンシューマーファイナンスは不良債権の一部をグループ会社のサービサーであるアビリオ債権回収に譲渡しています。
よって、プロミスの未払いがあっても、債権譲渡から5年以上経過していると信用情報からSMBCコンシューマーファイナンスの事故情報が抹消されています。
ただし、信用情報が回復したからといって借金がなくなったわけでなく、債権を譲り受けたアビリオ債権回収に対する支払い義務は残っています。
そのため、アビリオ債権回収からの請求を詐欺、架空請求と勘違いして放置しないようにしてください。
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当事務所はSMBCコンシューマーファイナンスの時効実績が豊富にあるので、ご自分で対応できない場合はお気軽にご相談ください。
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