中央債権回収から「訪問予告通知」が届いたケースの解決事例
消滅時効が成立【中央債権回収株式会社⑤】
相談内容
福井県にお住まいの方から、中央債権回収の「訪問予告通知」が届いたとご相談がありました。
三菱UFJニコスのカードによる借金でした。
ご本人曰く、5年以上は支払いをしておらず、連絡も取っていなかったということです。
このままだと自宅まで取り立てに来るのではないかと不安になり、当事務所にご連絡を頂きました。
以下のページで、中央債権回収の対処法を紹介しているので参考にしてください。
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解決手段の検討
中央債権回収から届いた「訪問予告通知」を確認したところ、契約内容は以下のとおりでした。
請求内容
- 譲渡人 ➡ 三菱UFJニコス株式会社
- 譲渡日 ➡ 2024年
- 残債務 ➡ 101万円
2024年に三菱UFJニコスから中央債権回収に債権が譲渡されていたことがわかりましたが、契約日や滞納が始まった日については記載がありませんでした。
また、これまでに裁判を起こされたことがあるのかも不明でした。
なお、債権譲渡があっても時効が更新されることはありません。
時効の条件
- 最後に支払いをしてから5年以上経過している
- 5年以内に支払いの話をしている
- 10年以内に裁判を起こされていない
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最後の支払いから5年以上経過していても、三菱UFJニコスもしくは中央債権回収から裁判を起こされて判決などの債務名義を取られていると時効が10年更新します。
裁判上で和解が成立していたり、自分から特定調停の申し立てをした場合は最後の支払いから10年となります。
債務名義とは
- 確定判決
- 和解調書
- 調停調書
- 仮執行宣言付支払督促
ご本人の記憶では、これまでに裁判所から訴状や支払督促が届いた覚えはありませんでした。
よって、今回は時効の可能性があると判断しました。
そこで、当事務所が内容証明郵便で三菱UFJニコスから債権を譲り受けた中央債権回収に対して時効の通知を送りました。
すると、その後は中央債権回収からの請求が止まり、自宅を訪問されることはありませんでした。
これにより、中央債権回収に対する101万円の支払い義務を時効の援用によって消滅させることができました。
内容証明作成サービスは日本全国対応なので、当事務所にご来所頂くことなくLINE、メールで簡単にお申し込み頂けます。
ご依頼件数8000人以上
アドバイス
三菱UFJニコスの返済が滞ると回収業務を委託された子浩法律事務所から通知書が届くことがあります。
この場合は三菱UFJニコスが債権を譲渡しているわけではないので、債権者はニコスのままです。
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これに対して、三菱UFJニコスが債権を完全に譲渡した場合は中央債権回収から「債権譲渡通知書」が届きます。
それも放置していると中央債権回収から以下のような記載がされた「訪問予告通知」が届くことがあります。
譲渡人 三菱UFJニコス株式会社が貴殿に対して有していた債権は、当社『中央債権回収株式会社』が○年○月○日に譲り受け、以後本件の管理回収をしておりますが、いまだ解決に至っておりません。
よって右記の振込口座まで残債務合計金○円を○年○月○日までに一括返済して頂きたく、本書を以って、改めて通知致します。
お支払いなき場合は、ご自宅に訪問せざるを得ませんので、一括返済が出来ない場合には必ず当社までご連絡をお願いします。
時効の可能性があると思われる場合は、中央債権回収に電話をかけないようにしてください。
なぜなら、電話で支払いの話をしてしまうと債務承認となって時効が更新してしまうからです。
債務承認があるとそれまでの時効期間がリセットされて、その後5年間は時効の援用ができなくなります。
債務承認に該当する行為
- 未払い金を支払う
- 和解書にサインする
- 電話で支払いの相談をする
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電話をかけずに放置しているだけでは時効が成立することはありません。
時効の援用をおこなわず、中央債権回収の訪問予告通知を無視した場合は自宅まで取り立てに来る可能性があります。
訪問時に対応してしまうと会話の内容によってはその後に時効の援用をおこなっても中央債権回収から債務承認による時効の更新を主張されることがあります。
よって、訪問されても極力、居留守などを使って中央債権回収の訪問員と話をしないようにしてください。
どうしても対応せざるを得ない場合は支払いを認めるような発言は一切せず、すぐに帰ってもらうようにしてください。
「司法書士に相談する」「わからない」「答えられない」といった発言であれば債務承認に該当することはありません。
これに対して「今かお金がないから払えない」「分割にしてほしい」「元金だけなら払う」といった発言は債務承認に該当するおそれがあります。
不在の場合は中央債権回収に近隣居住者へ居住実態等を確認されたり、生活状況の把握や不動産、自動車などの保有資産を調査されるおそれがあります。
そのため、なるべく訪問される前の段階で内容証明郵便で時効の援用をおこなうようにしてください。
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中央債権回収が駿河台法律事務所に回収業務を委託しているケースもあります。
その場合は駿河台法律事務所から通知書が届くことがありますが、基本的な対応は中央債権回収から請求を受けた場合と同じです。
たとえ、弁護士からの請求であっても時効の可否が変わることはありません。
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三菱UFJニコスはCIC、JICCに加盟しているので、支払いを数か月滞納すると信用情報がブラックになります。
一度、信用情報にブラックリストが登録されると、基本的に完済するか時効が成立しない限り、抹消されることはありません。
ただし、中央債権回収のようなサービサーに債権が譲渡された場合、CICでは5年、JICCでは1年で譲渡会社の三菱UFJニコスの事故情報が削除されます。
よって、債権譲渡から5年以上経過していれば、完済や時効の有無にかかわらず、信用情報は回復していることになります。
債権譲渡でブラックリストが消えるまで
- CIC ➡ 5年
- JICC ➡ 1年
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最後の支払いから5年経過していなかったり、10年以内に裁判を起こされている場合は時効になりません。
その場合は支払い義務があるので、返済できる場合は中央債権回収と分割返済の和解交渉をおこなうことになります。
自分で交渉できない場合は司法書士に代理交渉をお願いすることができます。
これを任意整理といいます。
任意整理では基本的に3~5年の分割返済になることが多く、和解成立後の返済に利息を付けません。
これにより、返済した分だけ確実に残高が減っていくので、完済への道筋が立ちやすくなります。
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お問い合わせ
当事務所は中央債権回収の時効実績が豊富にあるので、ご自分で対応できない場合はお気軽にご相談ください。
いなげ司法書士・行政書士事務所
お電話 043-203-8336(平日9時~18時)