引田法律事務所から「ご通知（受任通知同封）」が届いたケースの解決事例

消滅時効が成立【日本保証 → 引田法律事務所⑤】

相談内容

栃木県にお住まいの方から、引田法律事務所から「ご通知（受任通知同封）」が届いたとご相談がありました。

２０年以上前に契約した武富士の借金でした。

ご本人曰く、２０年くらいは支払いをしていないということです。

弁護士からの請求は只事ではないと思い、当事務所にご連絡をいただきました。

以下のページで、引田法律事務所の対処法を紹介しているので参考にしてください。

解決手段の検討

ご本人によると２０年くらいは支払いをしておらず、連絡も取っていないということだったので、時効の可能性があると思われました。

そこで、引田法律事務所のご通知を確認したところ、請求内容は以下のとおりでした。

契約年月日は不明でしたが、２００３年に最後の借り入れをおこない、２００４年から支払いができなくなっていたことがわかりました。

滞納が始まった時期は「支払の催告に係る債権の弁済期」で確認することができます。

日本保証の場合、武富士時代に裁判を起こされて判決を取られている場合があります。

ただし、引田法律事務所のご通知には裁判の有無の記載は一切ありません。

そこで、これまでに裁判所から訴状が届いたことがあるかご本人に確認したところ、そういったことはないということでした。

よって、今回は時効の可能性があると判断しました。

そこで、当事務所が日本保証の代理人をしている引田法律事務所に対して、内容証明郵便で時効の通知を送りました。

すると、その後は引田法律事務所から請求を受けることは一切なくなりました。

これにより、９３万円の借金を時効の援用によって消滅させることができました。

弁護士から請求を受けても時効が成立することは珍しくありませんので、まずはＬＩＮＥ、メール、電話でお気軽にお問い合わせください。

アドバイス

日本保証は武富士の金融事業を引き継いでおり、その回収業務を引田法律事務所に委託しています。

よって、武富士の借金を滞納していると、ある日突然、引田法律事務所から以下のような記載がされた「ご通知（受任通知同封）」が届くことがあります。

当職は、株式会社日本保証の代理人弁護士として、貴殿に対し通知いたします。

過日、当職において貴殿宛に受任通知を発送しておりますところ、現在に至るまで、貴殿との間で話し合いによる解決に至っておりません。

この度、貴殿の連絡先（住所）の変更に伴い、改めて、受任通知を同封させていただきます。

なお、本契約は、貴殿が株式会社武富士と締結したものを、同社の消費者金融事業を株式会社日本保証（平成２４年９月１日に株式会社ロプロは株式会社日本保証に商号変更）が事業承継しております。

当職としましては貴殿にも諸般のご事情がお有りと存じますので、お話合いによる解決が出来ればと考えております。

ご相談は、弊所フリーダイヤルにおいて無料の専用窓口を開設しております。

つきましては、下記の回答期限までにフリーダイヤルへのご連絡、もしくは指定口座へのご請求金額のお支払いをお願い申し上げます。

上記のとおり、ロプロから商号変更した日本保証が武富士の金融事業を引き継いでいるので、引田法律事務所の請求は架空請求ではありません。

よって、引田法律事務所からご通知が届いた場合は、すみやかに時効の援用をおこなってください。

時効の援用をおこなわずに以下のような行為をおこなうと債務承認となって時効が更新するのでご注意ください。

すでに裁判を起こされて判決等の債務名義を取られている場合は裁判所から執行文が届くことがあります。

これは承継執行文といわれるもので、武富士時代に取得した債務名義に基づいて、日本保証が強制執行（差し押さえ）をする準備段階で裁判所から発行されるものです。

ただし、債務名義を取られている場合でも、すでに１０年以上経過していれば時効の可能性があります。

よって、裁判所から執行文が届いた場合は、以下の債務名義の年数を確認してください。

武富士は２０１０年（平成２２年）に会社更生法の申請をしているので、債務名義を取得されていてもすでに１０年以上経過しています。

ただし、時効の援用をおこなう前に強制執行をされてしまうと時効が更新してしまいます。

よって、裁判所から執行文が届いた場合は差し押さえをされる前に時効の援用をおこなってください。

引田法律事務所に対して時効の通知を送っても、稀に時効が成立しない場合があります。

その場合の理由で一番多いのは、１０年以内の差し押さえです。

差し押さえをされることでも時効が更新するので、１０年以内に預貯金や給与の差し押さえをされていると時効になりません。

ほとんどお金が入っていない口座を差押えされても時効は更新します。

１０年以内に差し押さえをされていると時効が成立しないだけでなく、引田法律事務所が裁判所に財産開示手続きの申し立てをしてくる可能性があります。

財産開示手続きというのは、差し押さえが空振りに終わった場合に債権者側が申し立てをすることで、債務者を裁判所に呼びだして、債務者が勤めている仕事先や保有している口座の情報を開示させる手続きです。

つまり、債務者から聞き出した情報を元に債権者がピンポイントで差し押さえできるようにする制度です。

債務者が正当な理由なく財産開示手続きを欠席したり、虚偽の情報を開示した場合は「６か月以下の懲役もしくは５０万円以下の罰金」に処せられるおそれがあるのでご注意ください。

時効にならない場合は支払い義務がありますが、日本保証の和解条件は非常に厳しいので、一般的な任意整理に応じてもらえる可能性は低いです。

通常であれば、和解成立後の支払いには利息を付けませんが、日本保証は和解後の返済にも利息をつけることを要求してきます。

これでは、返しても元金があまり減らず、完済までの道筋が立たず、和解はしたものの結局は行き詰ってしまう可能性が高いです。

任意整理できない場合は自己破産も選択肢となります。

日本保証の場合、２０年以上滞納していることが多いので、引田法律事務所からご通知が届いた時点で債務の残高が数客万円になっていることが多いです。

よって、時効が成立せず、任意整理もできない場合は最後の手段として司法書士に自己破産の依頼をするケースもあります。

日本保証はＪＩＣＣという信用情報機関に加盟しています。

よって、引田法律事務所からご通知が届いた段階では、信用情報にブラックリストが登録されている状態です。

ただし、ＪＩＣＣの場合、時効が成立すると１～２か月でブラックリストが抹消されます。

これに対して、完済した場合はブラックリストが抹消されるまでに５年かかります。

そのため、支払い義務を消滅させるという点以外にも、信用情報を早く回復させるというメリットが時効の援用にはあります。

お問い合わせ

当事務所は引田法律事務所の時効実績が豊富にあるので、ご自分で対応できない場合はお気軽にご相談ください。

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