アコムから「ご返済のお願い」が届いたケースの解決事例
消滅時効が成立【アコム株式会社⑥】
相談内容
大分県にお住まいの方から、アコムの「ご返済のお願い」が届いたとご相談がありました。
20年以上前に契約をした借金でした。
ご本人曰く、10年以上は支払いをしていないということでした。
滞納していた間に損害金が元金の4倍以上になってしまい、とても支払える金額ではなくなっていました。
自分ではどうしてよいかわからないということで、当事務所にご連絡を頂きました。
以下のページで、アコムの対処法を紹介しているので参考にしてください。
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解決手段の検討
ご本人が保管していたアコムから届いた「ご返済のお願い」を確認したところ、契約内容は以下のとおりでした。
請求内容
- 基本契約日 ➡ 平成13年
- 区分 ➡ ローン(キャッシング)
- 貸付利率 ➡ 27.375%
- 返済期日 ➡ 平成19年
- 貸付金残高 ➡ 47万円
- 利息 ➡ 216万円
- 合計金額 ➡ 263万円
平成13年にアコムと契約をして、その後は借り入れと返済を繰り返していたものの、平成19年から返済ができなくなっていたことが分かりました。
アコムの場合、滞納が始まった時期は「返済期日」で確認できます。
時効の条件とは
- 最後に返済をしてから5年以上経過している
- 10年以内に裁判を起こされていない
- 5年以内に支払いに関する話をしていない
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裁判を起こされたかどうかについては、ご本人の記憶ではこれまでに裁判所から訴状が届いた覚えがないということでした。
アコムの場合、裁判を起こして債務名義を取得していると請求書に「裁判所を通じた法的手続きにより債務金額が確定しました」という記載があり、ご契約内容の基本契約日が「示談締結日」と表示されていることが一般的です。
債務名義とは
- 仮執行宣言付支払督促
- 和解調書
- 確定判決
- 調停調書
しかし、今回の「ご返済のお願い」にはそのような記載がなかったので時効の可能性があると判断しました。
そこで、当事務所が内容証明郵便を作成して、アコムに対して時効の通知を送りました。
すると、その後はアコムから請求書が届くことはありませんでした。
これにより、10年以上の滞納で263万円まで膨れ上がった借金を時効の援用で消滅させることができました。
ご依頼件数5000人以上
アドバイス
アコムの支払いを滞納したままにしていると、10年以上経過していても請求を受けることは珍しくありません。
よって、アコムから以下のような記載がされた「ご返済のお願い」が届いた場合は無視しないようにしてください。
お客さまからのご返済がいまだにありません。
ご返済のない状況が続きますと、期限の利益を喪失し一括返済をお願いすることもあります。
つきましては、下記のとおり、ご返済をお願い申し上げます。
なお、ご返済日に応じて日割り計算による利息または遅延損害金が異なりますので、ご返済前に弊社担当者までご連絡ください。
借金を滞納しているとその間に遅延損害金が日々加算されます。
そのため、10年以上経過しているような場合は利息や損害金の額が元金の数倍になっていることが珍しくありません。
しかし、消滅時効が成立した場合は利息や損害金のみならず、元金についても一切支払う必要がなくなります。
よって、時効の可能性があると思われる場合はすみやかに時効の援用をおこなってください。
なぜなら、請求を放置していても自動的に時効が成立することはないからです。
つまり、債務者からアコムに対して時効の通知を送る必要があるということです。
時効の可能性がある際に最悪な対応は、借金の一部を支払ったり、アコムと今後の支払いについて話をすることです。
なぜなら、以下のような行為があると、たとえ時効期間が経過していても債務承認となって時効が更新(リセット)してしまうからです。
時効が更新してしまうと、その後5年間は時効の援用ができなくなります。
債務承認に該当する行為
- 和解書にサインする
- 今後の支払いについて相談する
- 借金の一部を支払う
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最後の支払いから5年以内であったり、10年以内に裁判を起こされて債務名義を取られている場合は時効になりません。
その場合は支払い義務があるので、分割返済できる場合はアコムと和解交渉をおこなうことになります。
ご自分で交渉できない場合は司法書士に代理交渉の依頼をすることになり、これを任意整理といいます。
任意整理では原則的に和解成立後の返済に利息を付けません。
よって、返済した分だけ確実に残高が減っていくので、返済しても借金が減らないという状態から抜け出すことができます。
返済期間は一般的に3~5年ですが、実際にどのくらいの条件で和解できるかについては、これまでの取引内容などによっても変わってくるのでケースバイケースです。
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アコムはCIC、JICCの両方に加盟しているので支払いが滞っている間は、信用情報にブラックリストが登録されます。
ブラックリストを抹消するには滞納している借金を全額返済するか、時効の援用によって消滅させる必要があります。
ただし、完済と時効ではブラックリストが抹消されるタイミングが異なります。
ブラックリストが抹消されるタイミング
- CIC ➡ 完済と時効で違いはなく5年
- JICC ➡ 完済は5年、時効は1~2か月
CICの場合、完済しても時効の援用をしてもブラックリストが消えるまでは5年かかります。
これに対して、JICCの場合は完済は5年ですが、時効だと1~2か月で抹消されます。
よって、ブラックリストを少しでも早く抹消したいのであれば、JICCに関しては完済するよりも時効の援用をおこなった方がよいということになります。
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ブラックリストについては例外があり、完済も時効の援用もしていないのに抹消されることがあります。
それは債権譲渡があった場合です。
もし、債権を譲り受けた会社が貸金業者でなく、信用情報機関に加盟していない債権回収会社(サービサー)の場合は債権譲渡から5年でブラックリストが抹消されます。
アコムは不良債権の一部をグループ会社のアイアール債権回収に譲渡しているので、その場合は債権譲渡から5年でアコムのブラックリストが抹消されます。
ただし、信用情報が回復しても借金は残っているので、アイアール債権回収から請求書が届いた場合はすみやかに時効の援用をおこなう必要があります。
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お問い合わせ
当事務所はアコムの時効実績が豊富にあるので、ご自分で対応できない場合はお気軽にご相談ください。
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