消滅時効が成立【NHK受信料⑥】

NHK奈良放送局から請求書が届いたケースの解決事例

奈良県にお住まいの方から、10年以上前の受信料の請求書が届いたとご相談がありました。

最近引っ越しをされたようで、これを機に今後は受信料は支払いたいが、過去の分については時効にしたいということでした。

NHKには連絡をしておらず、未納期間には一度も支払いをしていないということです。

自分で手続きするのは不安があるとうことで当事務所にご連絡を頂きました。

以下のページで、NHK受信料の対処法を紹介しているので参考にしてください。

NHKの受信料にも消滅時効の適用がありますが、通常の借金とは少し異なります。

大きく異なる点はNHK受信料の場合、直近5年分については時効の対象外というところです。

よって、時効の援用ができるのは5年以上前の受信料の請求を受けている場合となります。

そこで、NHKから届いた請求書を確認したところ、契約内容は以下のとおりでした。

請求内容

  • ご請求期間 ➡ 平成22年~令和5年
  • ご請求金額 ➡ 21万円
  • ご契約件数 ➡ 地上契約

NHKとの契約には地上契約と衛星契約がありますが、今回は地上契約を締結して平成22年から受信料を滞納していることがわかりました。

NHKから請求書が届いた場合は「ご請求期間」で滞納時期を確認できます。

今回は10年以上前の受信料の請求なので、5年以上前の受信料については時効の可能性があります。

時効が成立する条件

  • 5年以上前の受信料の請求である
  • 5年以内に未納期間の受信料の支払いをしたり、支払いを認めるような発言や書類にサインをしていない
  • 10年以内に裁判を起こされていない

ご本人曰く、契約直後に一度だけ現金で支払いをしただけで、その後は一切支払いをしていないということでした。

また、その間にNHKとは一切接触しておらず、未納期間の支払いを認めるような言動は一切ありませんでした。

よって、今回は時効の可能性があると判断しました。

そこで、当事務所が内容証明郵便でNHKに対して、時効の通知を送りました。

するとNHKから直近5年分に減額された金額(約8万円)が記載された「放送受信料未払い確認書」が届きました。

これにより、5年以上前の受信料(約13万円)を時効の援用によって消滅させることができました。

ご依頼件数5000人以上

NHKに対して、時効の援用ができるのは放送受信料の契約を締結していて、5年以上前の受信料の請求を受けている場合です。

よって、5年以内の受信料の請求であったり、そもそもNHKと放送受信料の契約を締結していない場合は時効援用の対象外です。

時効の対象になるケース

  • 受信契約を締結していて5年以上前の受信料の請求がきている ➡ 対象になる
  • 受信契約を締結しているが直近5年以内の受信料の請求がきている ➡ 対象にならない
  • 受信契約を締結していない ➡ 対象にならない

時効の対象になる場合でも、すべての受信料の支払い義務がなくなるわけではありません。

つまり、時効が成立しても地上契約であれば、約8万円の支払い義務は残ることになります。

とはいえ、何十年も前から滞納している場合、数十万円の請求を受けることも珍しくないので、時効の援用によって直近5年分に減額されるメリットは非常に大きいと言えます。

よって、5年以上前の受信料の請求が来ている場合は、すみやかに時効の援用をおこなって、NHKに電話はかけないようにしてください。

なぜなら、電話で時効対象期間の支払いを認めるような発言をしたり、書類にサインをしてしまうと債務を承認したことになって時効が更新(リセット)するからです。

債務承認に該当する行為

  • 未納期間の受信料の支払いをする
  • 未納期間の支払い方法について相談する
  • 未納期間の支払いを認める書類にサインする

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NHKと受信契約を締結していない段階で裁判を起こされた場合は時効の援用をおこなうことができません。

なぜなら、平成29年の最高裁判決で、受信契約を締結していない間は消滅時効は進行しないと判断されたからです。

また、最高裁判決では、テレビ等の受信機器を設置したときから受信料の支払い義務が発生し、NHKから裁判を起こされて判決が確定したときに受信契約が成立するとしました。

これにより、受信契約を締結していない段階で裁判を起こされると、テレビ等を設置した日から現在に至るまでの受信料を支払うことになり、これに対して時効の援用をおこなうはできないのでご注意ください。

そればかりか、2023年4月から割増金の運用が始まっているので、滞納している受信料の2倍に相当する損害金を加算された金額を支払わなければならない可能性があります。

平成29年の最高裁判決のポイント

  • NHKと受信契約を締結しなくても、テレビ等の受信機器を設置した日から受信料の支払い義務が発生する
  • 裁判を起こされて判決が確定したときにNHKとの受信契約が成立する
  • 受信契約が成立するまで消滅時効は進行しない

平成29年の最高裁判決によって、未契約の段階でNHKから裁判を起こされると法的にはどうすることもできません。

よって、受信機器があるにもかかわらず、いまだNHKと放送受信契約を締結していない方は裁判を起こされると終わりなので、なるべく早く契約を締結した方が安全です。

ただし、受信契約を締結するとテレビの設置日から受信料の請求を受けることになるので、設置日をどうするのかは十分に検討した方がよいです。

もし、受信契約を締結したことでテレビの設置日から遡って受信料の請求を受けた場合でも、その後一度も受信料を支払わず、受信契約から5年以上経過すれば時効の援用が可能です。

その場合、時効が成立すれば5年以上前の受信料の支払い義務がなくなります。

当事務所はNHK受信料の時効実績が豊富にあるので、ご自分で対応できない場合はお気軽にご相談ください。

いなげ司法書士・行政書士事務所

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