保証協会債権回収から「ご連絡」が届いたケースの解決事例

消滅時効が成立【保証協会債権回収株式会社②】

東京都にお住まいの方から、保証協会債権回収から「ご連絡」が届いたとご相談がありました。

30年くらい前に会社名義で契約した事業資金で、ご本人が連帯保証人になっていました。

ご本人曰く、会社の代表取締役をしていたものの、経営悪化によって会社はすでに休業状態とのことです。

10年以上は支払いも連絡もしておらず、裁判も起こされていないはずということでした。

以下のページで、保証協会債権回収の対処法を紹介しているので参考にしてください。

保証協会債権回収から届いた「催告書」を確認したところ、契約内容は以下のとおりでした。

請求内容

  • 主債務者 ➡ 有限会社○○
  • 信用保証委託契約日 ➡ 平成6年
  • 保証会社 ➡ 東京信用保証協会
  • 代位弁済日 ➡ 平成15年
  • 代位弁済金額 ➡ 116万円
  • 備考 ➡ 連帯保証

平成6年に会社名義で借り入れをしたものの、その後に返済が滞ったため、平成15年東京信用保証協会が代位弁済をおこなっていたことがわかりました。

保証会社が代位弁済をおこなうと、債務者に対して代わりに支払った分を請求できる求償債権を取得します。

求償債権も借金と同じ5年で消滅時効の適用があり、時効の起算日は代位弁済日となります。

求償債権が時効になる条件

  • 代位弁済日から5年以上経過している
  • 5年以内に支払いや返済の話をしていない
  • 10年以内に保証会社から裁判を起こされていない

あわせて読みたい

保証会社の東京信用保証協会が代位弁済をおこなってから20年以上経過していました。

また、10年以内に支払いをしたり、連絡を取ったこともなく、裁判も起こされた覚えはないということでした。

よって、今回は時効の可能性があると判断しました。

そこで、当事務所が内容証明郵便を作成して、東京信用保証協会から委託を受けている保証協会債権回収に対して、時効の通知を送りました。

すると、保証協会債権回収から消滅時効が成立していると回答書が届きました。

これにより、主債務のみならず、連帯保証債務についても時効の援用によって消滅させることに成功しました。

ご依頼件数5000人以上

保証協会債権回収は、信用保証協会の無担保債権の管理回収を主たる業務にしている債権回収会社(サービサー)です。

よって、事業資金を滞納していると保証会社の信用保証協会から委託を受けた保証協会債権回収から請求を受けることがあります。

保証協会債権回収の「ご連絡」には以下のような記載があります。

保証協会債権回収株式会社は東京信用保証協会から委託を受けて債権の管理回収業務を行っております。

貴方様が東京信用保証協会に対し負担する求償金等のお支払いについてたびたび催促をして参りましたが、ご連絡が取れない状況にございます。

貴方様の現況を把握した上で、抜本的解決策を見出したくご相談ができればと通知を差し上げる次第です。

つきましては、貴方様の現況確認の為の「現況申告書」及び「個人情報の提供等に関する同意書」を送付致します。

ご多忙のところ恐れ入りますが、令和5年○月○日までに同封の返信用封筒にてご返送下さいます様お願い申し上げます。

引用元:保証協会債権回収株式会社の『ご連絡』

時効の可能性がある場合は、保証協会債権回収に電話をかけたり、現況申告書を返送しないようにしてください。

なぜなら、電話で支払いの相談をしたり、現況申告書を返送すると債務を承認したことになって時効が更新するからです。

債務承認に該当する行為

  • 求償金の一部を返済する
  • 電話で今後の返済について相談する
  • 現況申告書を返送する

あわせて読みたい

連帯保証人も時効の援用をおこなうことができます。

その際に連帯保証人は保証債務の時効援用だけでなく、主債務の時効援用もすることができます。

これにより、保証債務の付従性によって、主債務と連帯保証債務の両方を消滅させることができます。

また、連帯保証人に債務承認があっても主債務の時効は更新しません。

よって、連帯保証人が返済しているような場合であっても主債務の時効を援用することができます。

あわせて読みたい

個人名義で金融機関から借り入れをした場合、全国銀行個人信用情報センター(KSC)ブラックリストが登録されます。

その後、保証会社が代位弁済をおこなった場合は時効の成否にかかわらず、代位弁済から5年でブラックリストは抹消されます。

これに対して、法人借入の連帯保証人の情報については、会員企業が連帯保証人の同意を得て、KSCに照会した場合などに情報の登録がされます。

連帯保証人が保証債務を履行できなかった場合、完了区分に「保証債務未履行」と登録されます。

当事務所は保証協会債権回収の時効実績が豊富にあるので、ご自分で対応できない場合はお気軽にご相談ください。

いなげ司法書士・行政書士事務所

お電話 043-203-8336(平日9時~18時)

LINEで無料相談されたい方は「友だち追加」をクリックしてください

※LINE相談のご利用件数が1万人を突破しました!

友だち追加ボタン

(友だち追加のURL)https://lin.ee/eQiyW85

無料相談 受付中!

無料相談

受付時間:平日9時~18時
電話番号:043-203-8336