パルティール債権回収から「債権譲渡通知書」が届いたケースの解決事例
消滅時効が成立【楽天カード → パルティール債権回収②】
相談内容
沖縄県にお住まいの方から、パルティール債権回収から「債権譲渡通知書」が届いたとご相談がありました。
以前、当事務所で別の会社の時効援用のご依頼をされていたので、同じように時効にしたいとのことです。
今回は10年以上前に契約した楽天カードの借金でした。
おそらく10年以上前から滞納していて、裁判も起こされていないということでした。
以下のページで、パルティール債権回収の対処法を解説しているので参考にしてください。
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解決手段の検討
楽天カードからパルティール債権回収へ債権譲渡がされて、弁護士法人引田法律事務所が管理回収業務受託者になっていました。
そのため、引田法律事務所から「受任通知書」が届いており、それによると請求内容は以下のとおりでした。
譲受債権の内容
- 原契約年月日 ➡ 2012年
- 原契約の種別 ➡ ショッピング(一回払い)
- 損害利率 ➡ 14.6%
- 債権譲渡日 ➡ 2017年
- 残元金 ➡ 6万円
- 損害金 ➡ 9万円
- 請求金額 ➡15万円
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2012年に楽天カードと契約をして、カードでショッピング払いを利用していたところ返済が滞るようになり、2017年に債権がパルティール債権回収に譲渡されていたことがわかりました。
引田法律事務所の通知書では滞納が始まった時期は「支払の催告に係る債権の弁済期」で分かります。
ただし、楽天カードからパルティール債権回収に債権譲渡されているケースでは滞納が始まった日付になっていないので参考になりません。
そこで、1年間で発生する損害金の額を算出して滞納年数を計算したところ、約11年前から滞納していることが分かりました。
なお、債権が譲渡されても時効がリセットすることはありません。
パルティール債権回収の場合、裁判を起こされていたり、和解をしていると「譲受利息」「譲受損害金」が0円もしくは「損害利率」が0%と記載されています。
しかし、今回はそのような記載になっていなかったので時効の可能性があると判断しました。
そこで、当事務所が内容証明郵便を作成して、パルティール債権回収の代理人をしている引田法律事務所に時効の通知を送りました。
その結果、無事に時効が成立して15万円の借金を消滅させることができました。
内容証明作成サービスであれば、当事務所にご来所頂く必要がないので、日本全国どちらにお住いであってもお手続き可能です。
ご依頼件数5000人以上
アドバイス
楽天カードは不良債権を大量にパルティール債権回収に譲渡しています。
よって、楽天カードのキャッシングやショッピング代金を滞納していると、債権を譲り受けたパルティール債権回収から請求を受けることがあります。
引田法律事務所が代理人をしている場合があり、その際は「受任通知書」が届きます。
受任通知書には「支払の催告に係る債権の弁済期」という項目があり、ここに記載されている日付が滞納開始時期になっていることがあります。
ただし、当初の債権者が楽天カードの場合は、支払の催告に係る債権の弁済期が債権譲渡日に近い日付になっていて、滞納が始まった頃の日付になっていません。
よって、楽天カードからパルティール債権回収に譲渡されたケースでは「支払の催告に係る債権の弁済期」が参考にならないのでご注意ください。
滞納年数については、損害金と損害利率がきさいされていれば、そこから推測できます。
例えば、元金が10万円で損害金が20万円、損害利率が20%であれば、1年間で発生する損害金は2万円なので滞納年数が10年と予想できます。
これに対して、損害金が0円であったり、損害利率が0%と記載されている場合は、過去に裁判を起こされていたり、和解をしている可能性があります。
なぜなら、パルティール債権回収の通知書には以下のような記載があるからです。
本通知書又は、以前に送付した通知等に関しまして、譲受利息、譲受損害金が0円もしくは損害利率0%と記載のある方につきましては、債務名義取得または和解により債務残高が異なる場合がございますので、念のためお電話にてお問い合わせください。
引用元:パルティール債権回収株式会社の「通知書」
債務名義を取られていると時効が10年になります。
これに対して、裁判外での和解であれば5年です。
債務名義を取られているのか、裁判外で和解をしただけなのかは通知書を見ても分かりません。
債務名義とは
- 確定判決
- 仮執行宣言付支払督促
- 和解調書 ※裁判外での和解は対象外
- 調停調書(和解に代わる決定)
利息と損害金が0円になっている場合は、確定判決などの債務名義を取られていて時効が10年になっている可能性がありますが、そういった場合でもそこからすでに10年以上経過している場合は時効の可能性があります。
また、裁判外で和解をして最後に返済をしてから5年以上経過している場合も時効の可能性があります。
よって、利息と損害金が0円、損害利率が0%になっているからといって、絶対に時効にならないというわけではありませんので、もし、時効の可能性があると思われる場合はパルティール債権回収に電話をかけないようにしてください。
なぜなら、電話で支払いに関する話をしてしまうと債務を承認したことになって時効が更新することがあるからです。
債務承認に該当する発言
- 一括払いが厳しいので分割にして欲しい
- 損害金を免除して欲しい
- もう少し待って欲しい
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楽天カードの支払いを滞納すると信用情報機関(CIC、JICC)にブラックリストが登録されます。
一度、ブラックリストが登録されると延滞中は融資を受けることやクレジットカードを使うことができなくなります。
ただし、これには例外があります。
それは債権が貸金業者ではない会社に譲渡された場合です。
パルティール債権回収は借金の回収を専門におこなうサービサーで、国から許可を受けて営業しています。
しかし、サービサーは貸金業者ではないので、信用情報機関には加盟していません。
そのため、パルティール債権回収の名前でブラックリストが登録されることはありません。
そうなると、債権を譲り渡した楽天カードの事故情報がどうなるのかが気になるところですが、譲渡会社のブラックリストについてはCICについては債権譲渡から5年、JICCについては債権譲渡から1年で抹消されます。
これは時効の援用をしたかどうかに関係ないので、時効が成立しない場合でも債権譲渡から5年が経過すれば、自動的に信用情報は回復します。
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お問合せ
当事務所はパルティール債権回収の時効実績が豊富にあるので、ご自分で対応できない場合はお気軽にお問い合わせください。
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