オリンエントコーポレーションから「ご提案」が届いたケースの解決事例

消滅時効が成立【オリエントコーポレーション②】

島根県にお住まいの方から、オリンエントコーポレーションから「ご提案」が届いたとご相談がありました。

契約者は1年ほど前に亡くなっており、相続放棄はしていないということです。

おそらく10年以上は返済をしていなかったと思われるので、できれば時効にして支払わずに済むようにしたいとのご希望です。

自分で手続きするのは不安ということで、当事務所にご連絡を頂きました。

以下のページで、オリンエントコーポレーションの対処法を紹介しているので参考にしてください。

オリコから届いた「ご提案」を確認したところ、オリンエントコーポレーションが保証会社であることがわかりました。

ご請求内容

  • 契約会社 ➡ みずほ銀行
  • 保証会社 ➡ オリンエントコーポレーション
  • 代位弁済日 ➡ 平成21年
  • 求償金 ➡ 46万円
  • 遅延損害金 ➡ 40万円
  • 請求金額 ➡ 86万円

金融機関からの借り入れの場合、基本的に保証会社が付いています。

債務者が数か月滞納すると保証会社が借入残高を債務者の代わりに返済します。

その結果、保証会社は債務者に対して、代わりに支払った分を請求する権利を有します。

これを求償債権といいます。

求償債権にも時効の適用があり、保証会社が代位弁済をした日から5年となります。

求償債権の時効条件

  • 保証会社の代位弁済から5年以上経過している
  • 5年以内に支払の約束をしていない
  • 10年以内に保証会社から裁判を起こされていない

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ご本人がすでに亡くなっていたため、生前の返済状況はわかりませんでしたが、おそらくオリコへの返済や連絡は一切していなかったということでした。

よって、今回は時効の可能性があると判断して、当事務所が内容証明郵便で時効の通知を送ることにしました。

契約者が亡くなった場合は、相続人が一切の権利義務を承継するので、相続人は時効の援用もおこなうことができます。

その後は、オリンエントコーポレーションから請求書が届くことがなくなりました。

これにより、86万円の借金を消滅させることができました。

ご依頼件数5000人以上

オリンエントコーポレーションから届いた「ご提案」には以下のような記載がありました。

前略、お客さまのご契約について、未だにご連絡・ご入金をいただいておりません。

その為、現在、本状記載の通り元金のみならず遅延損害金等も発生しております。

そこで今回、残元金を一括精算していただくことを条件に、発生している遅延損害金を免除するご提案を致します。

ぜひともこの機会にご検討いただき、本状記載の「ご連絡期日」までに「請求金額合計」から遅延損害金を差し引いた金額を下記口座へお支払いくださいますようお願い申し上げます。

引用元:株式会社オリンエントコーポレーションの『ご提案』

元金を一括返済すれば、遅延損害金を免除するという和解提案です。

一見すると非常に魅力的な和解案ですが、時効の可能性がある場合は絶対に応じないようにしてください。

ご提案だけでなく、お客様に一括支払や分割返済、その他の希望を記入して返送させる「回答書」が添付されていますが、こちらも絶対に返送しないようにしてください。

なぜなら、以下のような行為は債務承認に該当して時効が更新(リセット)してしまうからです。

債務承認に該当する行為

  • 借入金の一部を支払う
  • 電話で今後の返済について相談をする
  • 回答書を記入して返送する

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契約者が死亡している場合は、相続人が法定相続分の割合に応じて、借金も相続します。

ただし、相続開始後3か月以内に裁判所に相続放棄の申し立てをした場合は、借金を含めた一切の遺産を相続しなくなります。

相続開始後3か月以内というのは、①被相続人が死亡した事実、②自分が相続人になった事実、の2つを知ったときです。

よって、被相続人が死亡してから3か月以上経過していても、死亡した事実を知らなかったり、死亡した事実は知っていても自分が相続人になったことを知らなかった場合は3か月の熟慮期間は進行しません。

また、①②の両方を知っていても、一切の遺産を相続しておらず、オリコからの通知で初めて被相続人に借金があることを知ったような場合は、オリエントコーポレーションからの通知を受け取ってから3か月以内であれば、相続放棄が認められることがあります。

すでに預貯金や不動産を相続していたり、相続開始の事実と借金の存在を知ってからすでに3か月以上経過しているなどの理由で相続放棄ができない場合は相続人が時効の援用をおこなうことになります。

この際に気をつけることは、まずは相続放棄できるかどうかを検討して、相続放棄できない場合に時効の援用をおこなうという点です。

なぜなら、時効の援用をおこなうという行為が相続を承認したとみなされる可能性があるので、先に時効援用をして失敗しても、あとから相続放棄をすることができなくなるおそれがあるからです。

当事務所はオリエントコーポレーションの時効実績が豊富にあるので、ご自分で対応できない場合はお気軽にご相談ください。

いなげ司法書士・行政書士事務所

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