消滅時効が成立【NHK受信料③】
NHK受信契約者の相続人が時効の援用をおこなったケースの解決事例
相談内容
茨城県にお住まいの方からNHK受信料の時効援用についてご相談がありました。
兄妹が亡くなったので遺品整理をしていたところ、NHKから20年分以上の受信料(65万円)の請求書が見つかったということです。
被相続人は独身で子供もおらず、両親もすでに他界しているということです。
NHKの受信料にも時効があることを知り、相続人から時効の援用をできないかとのご相談でした。
以下のページで、NHK受信料の対処法を紹介しているので参考にしてください。
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解決手段の検討
被相続人に配偶者、子ども、両親がいない場合、兄弟姉妹が相続人になります。
よって、被相続人がNHK受信料を滞納したまま死亡した場合、相続人である兄弟姉妹に支払い義務があります。
兄弟姉妹が複数人いる場合は、法定相続分の割合に応じて各相続人が支払い義務を負います。
今回は3人兄妹でしたが、そのうちの1人が相続放棄をしていたため、残った兄妹が単独で相続をすることになります。
そこで、NHKから届いた請求書を確認したところ、契約内容は以下のとおりでした。
請求内容
- 契約の種類 ➡ 衛星契約
- ご請求期間 ➡ 平成11年から令和5年
- ご請求金額 ➡ 65万円
NHK受信料にも消滅時効の適用があります。
よって、時効の条件を満たしている場合は、相続人が時効の援用をおこなうことが可能です。
ただし、直近5年分は時効の対象外なので、時効が成立しても5年分については支払い義務があります。
時効の成立条件
- 5年以内に未納分の支払いをしていない
- 5年以内に支払いを認めるような発言をしたり、書類にサインをしていない
- 10年以内に支払督促を起こされていない
- 内容証明郵便などで時効の通知を送る
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今回は受信契約者本人がすでに死亡しており、生前の生活状況などもまったく分からなかったため、時効の条件をクリアーしているかどうか不明でした。
ただし、遺品整理をした際の状況から、おそらく被相続人がNHKとは一切連絡を取っておらず、支払いもしていないだろうと思われました。
そこで、受信契約者の相続人からNHKに対して、内容証明郵便で時効の通知を送ることにしました。
その際にNHKとの受信契約を解約する旨の記載もおこないました。
すると、NHKから「放送受信料時効援用届出書」と「放送受信契約解約届」が届き、無事に時効援用と受信契約の解約をおこなうことができました。
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アドバイス
NHK受信料も相続の対象になります。
よって、裁判所に相続放棄をしなかった場合、相続人が受信料の支払い義務を負います。
これに対して、亡くなってから3か月以内に裁判所に相続放棄の申し立てをおこなった場合は、預貯金や不動産などの遺産を相続できなくなりますが、借金などの負債も相続しなくてよくなります。
ただし、NHK受信料にも消滅時効の適用があるので、相続人が時効の援用をおこなうことできます。
時効が成立した場合は支払わなければいけない受信料が5年分で済むので、滞納期間が長ければ長いほど金額を大幅に減らすことができます。
相続放棄の期間は受信契約者である被相続人の死亡から3か月以内が原則ですが、被相続人が死亡した事実を知らなかった場合は、死亡の事実を知ってから3か月以内であれば相続放棄できます。
また、死亡の事実を知っていたケースでも、一切の遺産を相続しておらず、NHKからの通知で初めて負債がある事実を知ったような場合は、NHKから通知を受けてから3か月以内であれば相続放棄が認められる場合があります。
相続放棄が認められた場合は、裁判所から送られてきた相続放棄申述受理通知書のコピーをNHKに郵送すればOKです。
その場合、相続人は一切の受信料の支払い義務を免れることができます。
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よって、被相続人が5年以上前のNHK受信料を滞納したまま死亡した場合は相続放棄をおこなうか、時効の援用をおこなうかでその後の対応が異なります。
相続人の対応と受信料の支払い義務
- 相続放棄をした ➡ 受信料の支払いをする必要は一切ない
- 相続放棄をせずに時効の援用をした ➡ 5年以上前の受信料の支払いは免除される
お問い合わせ
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