騒音がひどい場合

アパートなどの賃貸借では、隣人の騒音で悩まされるケースも珍しくありません。


賃貸人は、賃料をもらう代わりに、その物件を使用収益させる義務がありますが、ひどい騒音が続けば正常な利用ができるとはいえません。

 


そのため、隣人の騒音がひどい場合には、まずは賃貸人に相談してみるのがよいでしょう。

 


賃貸人には上記のような義務がありますから、賃借人からの要求にもかかわらず、賃貸人が漫然と放置したり、適切な処置を講じなければ、賃貸人に対して債務不履行責任を求めることができる場合もあります。

 


具体的には、引っ越し費用を請求したり、慰謝料の請求などが考えられます。

 


なお、賃借人には常識的な用法で物件を使用収益する義務がありますから、非常識な騒音を出していれば用法遵守義務違反に該当します。

 


あらかじめ契約書に「騒音を出すなどして周りに迷惑をかけないこと」などと規定されている場合もありますが、仮にそういった規定がなくても上記の用法遵守義務違反になることに変わりはありません。

 


よって、賃貸人はこのような賃借人対して、騒音をやめるように求めることができ、もし、賃借人がそれに従わなければ、用法遵守違反を根拠に契約を解除し、物件の明け渡しを要求することができます。

 


また、騒音があまりにもひどくて社会通念上受忍すべき限度を超えていると判断される場合には、裁判所に騒音を防止する仮処分を求めることができる可能性があります。

 


また、騒音が受忍限度を超えているような場合、それによって精神的苦痛を受けたとして慰謝料請求権が発生します。

 


現実的なケースでは、仮処分まですることはほとんどありませんが、まずは管理会社なり大家さんに騒音をやめてもらえるように伝えてもらうのがよいでしょう。


 

それで解決すれば特に問題はありませんが、大家さんが騒音を理由とした明け渡しをせずに漫然と放置した結果、自分が引越しをせざるを得なくなったような場合には、その引っ越し費用は大家さんに請求することを検討してもよいのではないかと思われます。


 


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