成年後見制度と財産管理委任契約と任意後見
成年後見制度における財産管理委任契約と任意後見の違い
成年後見制度の適用対象
成年後見制度は、身体に障害を持っていても利用することはできません。
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どのような場合に利用できるかを以下に書いておきます。
成年後見が利用できるケース
加齢による脳の老化
☑ 認知症
生まれながらの障害、病気などによる脳の障害
☑ 知的障害
脳梗塞、交通事故などによる脳の損傷
☑ 高次脳機能障害
社会的ストレスなどによる精神不安
☑ 統合失調症
以上のような精神障害を患っている場合に成年後見制度を利用することができます。
成年後見を利用できるケース であるのかどうかを知りたい場合は医師に診断してもらい、家庭裁判所に申し立てをする際は成年後見専用の医師の診断書を添付することになります。
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後見人が代理できる行為
家庭裁判所で選ばれた後見人には法律行為の代理権が与えられます。
ここでいう法律行為というのは、たとえば訪問販売などでの売買契約が挙げられます。
後見人を付けておけば認知症の被後見人が訪問販売で100万円もする布団を買ってしまっても、あとから後見人が取り消すことができます。
しかし、後見人といっても、すべての行為に代理権 があるわけではありません。
後見人でも代理できない行為
☑ 婚姻
☑ 養子縁組
☑ 遺言書の作成
上記の行為は本人の身分に関係するので、たとえ後見人あっても代理することができません。
また、本人がスーパーで買い物をするといった日常生活に関する法律行為も後見人は取り消すことはできません。
このように、本人の「一身専属的な行為」や「日常生活にかかわる行為」には、後見人の代理権は及びません。
財産管理委任契約とは
成年後見の利用条件に該当しないような場合(目が足や不自由だったりにして、外出するのが通常の方よりも困難であるようなケース)に、第三者に色々頼めたら助かります。
そのような場合、個別の行為ごとに委任契約を取り交わして第三者にお願いするのもいいのですが、それではいちいち面倒なので、あらかじめ一定の行為の代理権を与えることもできます。
そういった委任契約を財産管理委任契約といいます。
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この契約は成年後見のように裁判所が監督するわけではありませんので、十分に信頼できる人に委任することが大切です。
また、契約書を作成する際もあとあとのトラブルを考えて公正証書で作成しておいた方がよいでしょう。
財産管理委任契約では、本人の意思を客観的に証明できるので、さまざまな契約や手続を代行することができ、結果として本人の財産を守れるといったメリットがあります。
家族であっても、きちんと契約書を作成しておくのがよいと思います。
家族の方がいざ金銭トラブルになると泥沼の争いになりやすいですし、子供にとっても契約書があった方が堂々と親の世話をすることができます。
親のお金を使い込んでいる子供がいた場合、他の親族や第三者に財産管理を任せることで、その子供をけん制でき、それが結果的に本人の財産を守ることにつながります。
任意後見とは
成年後見制度の中には任意後見というものがあります。
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成年後見との違いは成年後見がすでに精神障害を患っている場合の手続きに対し、任意後見はこれから先に精神障害を患った場合に備えて、あらかじめ意中の人を後見人に指定しておく手続きというところです。
任意後見は本人と任意後見人候補者が公証人役場で任意後見契約を締結し、それが東京法務局で登記されます。
本人が認知症などを発症したら家庭裁判所に後見監督人選任の申し立てをおこないます。
その後は裁判所で選任された後見監督人が任意後見人の仕事をチェックすることになります。
任意後見の利用件数はまだそれほど多くはありませんが、今後の高齢化社会を見据えれば、その需要も増えてくるのではないかと思われます。
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