成年後見の申立てに必要な書類
成年後見の申立ては、認知症等になった本人の住所地の家庭裁判所に申し立てをします。
申し立てると言っても、その場ですぐにできるわけではなく、事前に色々な書類を用意して申立書を作成し、戸籍謄本等を添付した申立書一式を裁判所に提出しなければいけません。
法律的に難しいことはありませんが、とはいっても一般の方にはなかなか骨の折れる作業だと思われます。
なお、必要書類については各家庭裁判所によって多少異なりますが、だいたいは一緒です。
以下に、千葉の家庭裁判所を参考に、代表的な必要書類を挙げておきますので参考にしてください。
・ 本人の戸籍謄本
・ 本人の住民票
・ 本人の登記されていないことの証明書
・ 後見人候補者の戸籍謄本
・ 後見人候補者の住民票
・ 不動産を所有している場合は不動産の登記事項証明書および評価証明書
・ 本人が所有している通帳、保険証券、有価証券等のコピー
・ 本人が年金等の収入がある場合はそれらの書類のコピー
・ 施設等に支払った領収書等のコピー
・ 親族の同意書
・ 医師の診断書
・ 申立事情説明書
・ 後見人候補者の事情説明書
・ 本人の財産目録および収支状況報告書
・ 親族関係説明図
本人の登記されていないことの証明書というのは、認知症等になった本人に現時点で後見人等が付いていないことを証明するもので、東京法務局が発行してくれます。
もし、すでに後見人が付いていると、その旨が東京法務局に登記されているので、二重に成年後見の申し立てをすることはできません。
よって、これから新たに成年後見の申し立てをする場合には、今の時点では本人に後見人等が付いていないことを証明する必要があるので、この登記されていないことの証明書を添付しなければいけないわけです。
次に、親族の同意書についてですが、これは必ず添付しなければいけないというものではありませんが、本人の親族で成年後見の申し立てをすることについて同意している者がいれば、その者から同意書をもらい、それを添付するというのが今の裁判所の運用です。
よって、周りの親族が成年後見の申立てに反対しているような場合には、同意書を添付することはできませんが、成年後見の申立ては本人の財産を保護するのが目的なので、たとえ親族が反対していても、裁判所が本人のために成年後見人を付ける必要があると判断すれば、たとえ同意書がなくても後見人が選任されます。
その意味では、親族の同意書は用意できれば添付するというレベルのものです。
これに対して、医師の診断書というのは、基本的に添付しなければいけません。
というのも、裁判所からしても、単に成年後見の申立てがあっただけでは、本人の状態が全く分かりません。
そこで、申立ての段階で医師の診断書を添付させて、本人に財産管理能力があるのかどうかを明らかにしておく必要があるわけです。
なお、この診断書は成年後見専用の診断書で、裁判所のHPからもダウンロードできますので、主治医の先生にその診断書を渡せば作成してくれます。
ただし、本人が医師の診断を拒絶しているような場合には、診断書を作成することができません。
そういった場合は、やむを得ず診断書を添付しないで申し立てをするほかありませんが、このような場合は裁判所の方で医師を選任して精神鑑定を実施します。
現在では、成年後見の申立ての9割では精神鑑定は実施されていないようですが、残りの1割は医師の診断書がなかったり、診断書が付いていても、さらなる精神鑑定が必要と判断されれば実施されているようです。
申立事情説明書というのは、成年後見を申し立てるに至った事情を説明する書類で、各裁判所で定型の書類を用意しているので、それに書き込めばOKです。
同様に、後見人候補者の事情説明書も、裁判所に定型の書類があるので、後見人の候補者になる人についてのことを、その用紙に書き込めばOKです。
申立ての際は、これらの書類の他に、印紙や切手代で5000円少々かかり、およそ申し立てをしてから1~2ヶ月で後見人が選任されます。
もし、自分でおこなえば、実費込みで1万円位で申立ができると思いますが、時間がなかったり、自分では書けそうにない場合は、当事務所でも書類の作成をしています。
なお、当事務所の報酬は税抜で5万円なので、実費と消費税込でだいたい6万5000円で申立ができますので、お気軽にご相談ください。
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