離婚と慰謝料

離婚をする際に一方が慰謝料を支払うことは珍しいことではありません。

 

実際に慰謝料を請求できるのか、できるとしたらどの程度の金額を請求できるのかはケースバイケースです。

 

離婚といっても、まずは協議(相手方との話し合い)が基本なので、まずは当事者間で慰謝料について話をします。

 

その際に気をつける点としては

 

1. 慰謝料の支払いは離婚と同時にすること

 

2. 口約束ではなく、公正証書等の文書にしておくこと

 

です。

 

慰謝料の支払いと離婚届での提出を同時履行にしておかず、先に離婚をしてしまっては、相手が慰謝料を支払わなくなるおそれがあります。

 

また、口約束では、後から言った言わないの水掛け論になることも多いです。

 

そこで、おススメなのが公証人役場で公正証書を作成してもらう方法です。

 

個人間で作成した誓約書等でも法的には有効なのですが、公正証書を作成しておけば、もし、支払いをしなかった場合に裁判等の手続きを経ないで強制執行することができます。

 

この点、私人間で作成した誓約書島では、たとえ約束どおりに支払いがされなかったとしても、直ちに強制執行することができず、

 

裁判所に訴えを起こして判決をもらい、それに執行文の付与を受けて、確定判決を債務名義にして、相手の財産に対して強制執行をする必要があります。

 

相手がサラリーマン等の給与所得者であれば、毎月の給料やボーナス、退職金等に対して強制執行をすることができます。

 

なお、こういった差押えは、すでに返済が遅れた分についてのみ許されます。

 

つまり、慰謝料を分割払いでもらうことになっていた場合、すでに支払いが遅れている分については回収できますが、

 

将来の支払分についてを事前に差し押さえることはできないということです。

 

よって、分割払いの慰謝料をその都度回収するのは、現実的には非常に手間暇かかります。

 

そういった現実的な問題もありますので、慰謝料は多少減額してでも、分割払いでなく一括払いでもらっておいた方が、結局は得だったということも往々にしてあります。

 

なお、離婚後に相手方が自己破産をした場合に、慰謝料の支払義務もなくなるのかどうかが問題となります。

 

破産法では、破産者が悪意でくわえた不法行為に基づく損害賠償請求権は免責の対象にならないと規定しています。

 

この点、離婚による慰謝料は、不法行為に基づく損害賠償請求権に当たりますので、慰謝料を支払うことになった原因が相手方の不倫や浮気であれば、

 

悪意(=故意)で加えた不法行為に該当する可能性が高いので、免責の対象から外れる可能性がありますが、最終的には裁判所の判断となります。

 

また、夫婦間の生活費である婚姻費用や、子供の養育費は自己破産をしても免責の対象には含まれないので、相手方が自己破産をしても引き続き請求することが可能です。

 

 

 

 

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