遺産分割協議がまとまらない場合
遺産分割協議がこじれて話がまとまらない場合、家庭裁判所を利用できます。
裁判所では、調停と審判が手続として用意されています。
調停と審判のどちらを利用するかについては、まず、調停を利用しなければならないという調停前置主義が採られています。
つまり、調停で話がまとまらない場合に、ようやく審判をおこなうことができるわけです。
調停は、相手方の住所地の家庭裁判所または当事者が合意した家庭裁判所に申立てます。
裁判官である家事審判官の指揮のもと、調停委員2名が当事者の話を聞き、話をまとめていくものが調停です。
調停で合意が出来ると、裁判所書記官がその内容を調書に記載し、この時に調停が成立します。
この調停調書は確定判決と同一の効力を有しますので、相手方が調停内容に反する行いをした場合は強制執行が可能となります。
もし、話し合いがまとまらない場合は調停不成立となり、調停の申し立てがあったときに審判の申し立てがあったものとみなされ、審判手続きに移行します。
ところで、相続人の中に行方不明の者がいて、相続人全員が揃わず、そのために遺産分割協議ができない場合もあります。
もし、その相続人の生死不明が7年以上であるならば、失踪宣告の申し立てを家庭裁判所にすることができます。
これにより、失踪している相続人は不明になってから7年が経過したときに死亡したものとみなされます。
もし、被相続人の死亡時期が失踪者が行方不明になってから7年を経過した時よりも前であれば、
失踪者の相続人が、後であれば代襲相続人が相続人となり、それらの者を含めて遺産分割協議をすることになります。
とはいえ、生死不明だからといって身内から失踪宣告をするのはためらわれるものです。
そこで、失踪宣告の申立ではなく、不在者のための財産管理人を選任してもらい、その管理人を遺産分割協議に加えることもできます。
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