NPO法人(特定非営利活動法人)の設立
NPO法人(特定非営利活動法人)は、株式会社等と異なり、資本金なしで設立することができます。
そのため、資金的な面では設立時に費用がかかりません。
その反面、所轄庁から認証を得る必要があり、その申請手続きがなかなか大変です。
まず、NPO法人を設立するには、発起人が集まって設立発起人会を開催します。
設立発起人会で、設立の趣旨・役員や会費・活動目的等を検討し、その後、設立総会を開きます。
設立総会が終了したら、都道府県または政令指定都市(例:千葉市)に申請書類を提出します。
提出した書類は、その後2ヶ月間にわたって縦覧され、その間に所轄庁が申請された内容を審査し、認証するのかどうかを判断します。
無事に認証されたら、法務局に設立登記を申請し、登記が完了して初めてNPO法人が設立したことになります。
以上の設立の流れを簡単にまとめると以下のとおりとなります。
1. 設立発起人会の開催
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2. 設立総会の開催
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3. 申請書類の作成、提出、受理
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4. 縦覧及び審査
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5. 認証決定
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6. 法務局へ設立登記の申請 ※設立登記の完了によりNPO法人は成立します。
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7. 所轄庁へ設立登記完了届の提出
ところで、特定非営利活動促進法では、NPO法人が主たる活動の目的とすることのできる分野を限定しており、立法当初は17分野でしたが、平成24年からは20分野に拡大されました。
例えば、保険・医療又は福祉の増進を図る活動であったり、消費者の保護を図る活動などです。
20分野の活動以外は一切してはいけないのかどうかですが、特定非営利活動の事業に支障がない範囲でその他の事業をおこなうことは認められています。
また、NPO法人を設立するためには、最低でも10人以上の社員が必要です。
なお、ここでいう社員というのは、会社の従業員のような立場ではなく、株式会社でいう株主にあたる者で、NPO法人の構成員のことです。
また、役員として、最低3人以上の理事と1人以上の監事を置く必要がありますが、役員は社員の中から選んでも社員以外から選んでも構いません。
理事は、NPO法人の業務内容を決定・執行し、監事は、理事の業務執行や収支状況を監督するのが仕事です。
上記のとおり、NPO法人を設立するには、所轄庁に設立認証申請書を提出する必要があります。
認証申請時に必要な書類として、設立認証申請書のほかに定款、役員名簿、各役員の就任承諾書、社員名簿、設立趣意書等があります。
設立認証の申請手続きが完了し、無事に認証書が届いたら、2週間以内に法務局に設立登記の申請をする必要があります。
なお、NPO法人では定款を作成する必要はありますが、株式会社のように公証人の認証は不要で、法務局への登記申請時には登録免許税もかかりません。
所轄庁が認証するかどうかを判断するまでに2~4ヶ月かかるので、その間に設立登記の準備をしておくとスムーズにいきます。
もし、認証があってから6ヶ月以内に設立の登記をしないと、所轄庁が設立の認証を取り消すことができるようになっているので、登記は速やかにおこなうようにしましょう。
設立登記が完了したら、所轄庁へ登記完了の届出をおこないます。
ここまででおおむね3~5ヶ月程度かかりますので、NPO法人はその他の株式会社やLLP、LLCに比べてかなり時間がかかるといえます。
設立手続きを自分ですることも可能ではありますが、かなり煩雑な作業になると思いますので、お近くの司法書士などの専門家に相談するのもよいと思われます。
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