過払い請求と判決後の対応
ほとんどの貸金業者とは和解で終わりますが、経営状態が厳しい業者の場合は、裁判をしても全額返金に応じないところもあります。
そういった場合、判決を取ることになります。
判決を取ることで、返金に応じてくれればよいのですが、判決後も抵抗してくる業者もいます。
以下に、業者の取る判決後の典型例を挙げてみます。
1. 判決内容どおりの返還に応じる
2. 控訴してくる
3. 控訴もせず返金にも応じない
また、1.ですが、これは一番楽なケースです。
判決を取ることで、こちらとしては強制執行をすることができるようになります。
そのため、通常の貸金業者であれば、判決が出た以上はその内容に従って返金に応じてくれます。
返金に応じないと、口座を差し押さえるられる危険性があり、もし、そんなことになれば通常の営業にも差し支えるからです。
2.は、上級審に控訴してくるケースです。
日本の裁判は三審制なので、第一審で判決が出ても、上級審に控訴することができます。
なお、第一審が簡易裁判所であれば、控訴審は地方裁判所に、第一審が地方裁判所であれば、控訴審は高等裁判所の管轄となります。
また、本来であれば第一審の判決内容に不服であるから控訴するのが普通ですが、不当利得返還訴訟で控訴される場合、貸金業者の真の目的は単なる時間稼ぎであることがほとんどです。
経営状態の悪い貸金業者が、少しでも返金を遅らせたいがために、判決が覆ることなどないとわかっていながら、それでもあえて控訴してくるといった感じです。
中には、本当にどちらに転ぶかわからないような争点があり、第一審の判決内容に不服があるから、上級審で逆転を狙って控訴してくる場合もありますが。
最後は、3.のケースですが、これは極めて経営状態が悪い業者が取るパターンです。
つまり、判決を取られることで強制執行をされる恐れが発生しますが、仮に、口座などの差押えをされても、その口座にはほとんどお金が入っていない状態で空振りに終わってしまうようなケースです。
こういった業者は、始めから返金するつもりなどありませんから、たとえ判決を取られても、返金に応じることはありません。
また、控訴をするにも印紙代などの費用がかかりますから、無駄な出費となる控訴もせず、ただ、請求を受けても返金に応じないのです。
ですから、3.が一番たちが悪いといえます。
なお、2.のように控訴してくる業者は、控訴審判決が出れば返金に応じるところが多いですが、中には返金するだけの体力がないにもかかわらず、とりあえず控訴だけはしてくる業者もいます。
こういった業者は、とりあえず控訴はするのですが、実際には控訴審に出廷せず、そのまま時間だけが経過し、最終的には控訴審が自動的に取り下げ扱いになることも珍しくありません。
ところで、民事訴訟法では、意味もなく控訴してくることが明らかな場合
「控訴権の濫用」
と認定することができます。
しかし、実際には、控訴権の濫用と認定されることはほとんどないので期待できません。
このように、現在では判決を取っても回収できない業者が増えてきていますので、相手業者が倒産する前に早めに請求されることをおススメします。
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