発行可能株式総数と公告方法の変更

会社を設立する際には、定款にその会社が発行できる株式の総数を記載する必要があります。

 

設立後に株式を発行し、発行できる株式の枠が少なくなってきたら、発行可能株式の総数を増やしておかなければいけません。

 

その際は、上記のとおり、定款を変更する必要があるので、株主総会を開催して特別決議を経る必要があります。

 

公開会社で発行可能株式総数の変更をする場合、発行済株式の総数の4倍を超えることはできません。

 

しかし、株式譲渡制限会社では、この上限規制はありませんので4倍を超えても構いません。

 

また、発行可能株式の総数は会社の登記事項のため、定款を変更した場合は2週間以内に登記をしなければいけません。

 

なお、本店の管轄外に支店を設けている場合でも、その支店所在地を管轄する登記所への申請は不要です。

 

申請時にかかる登録免許税の額は3万円です。

 

次に、会社の公告方法の変更について説明します。

 

会社の公告方法には、

 

1. 官報

 

2. 日刊新聞紙

 

3. 電子公告

 

のいずれかを定款に定めておく必要があります。

 

もし、定款に定めがない場合は、官報にしたものとされます。

 

なお、電子公告とは、いわゆるインターネットのホームページへの掲載です。

 

電子公告が認められた理由は、公告方法が官報や日刊紙だと公告媒体を購入するか、図書館などに出向いて閲覧しなければならず、また、掲載された日の紙面を逃すと公告があったことを知らずに終わってしまう恐れがあるからです。

 

その点、インターネットのホームページに掲載すれば、掲載期間中であればいつでもどこからでも、そのホームページにアクセスすることで何度でも無料で見ることができます。

 

このように、電子公告は情報の周知性が高く、掲載のための費用も安価で済みますので、会社法で新たに導入されました。

 

また、株式会社は株主総会の終結後に貸借対照表を公告しなければいけませんが、その公告方法が官報もしくは日刊紙である会社は、貸借対照法の要旨を公告するだけで構いません。

 

そして、官報もしくは日刊紙を会社の公告方法にしている会社が、取締役会の決議で貸借対照表に記載された情報を電磁的記録で提供すると決めた場合は、その旨を登記する必要がありますが、その際の登録免許税は3万円となります。

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