本店移転
本店の所在地は定款の絶対的記載事項になっています。
なお、所在地というのは、たとえば「千葉市」などと市町村までのことです(東京23区の場合は区まで)。
また、定款で本店の所在場所、すなわち地番まで定めることも可能です。
ただし、実務上は
「当会社の本店は千葉市に置く」
等のように最少行政区画までを定めている場合がほとんどです。
では、会社の本店を移転したい場合はどうすればよいのでしょうか。
例えば、定款で最少行政区画まで定めている会社が同一区内で本店を移転するのであれば定款を変更をする必要はありません。
そういった場合、取締役会設置会社であれば取締役会の決議で本店移転を決議することができます。
なお、取締役会を設置していない会社であれば、取締役の過半数の一致をもって決めることになります。
もし、定款で会社の本店所在場所まで決めてしまっている場合、たとえ同一区内への移転であっても定款を変更する必要があります。
よって、その場合は取締役会の決議(もしくは取締役の過半数の一致)ではなく、株主総会の特別決議で定款を変更する必要があります。
これと同様に、定款で定められた最少行政区画外へ移転する場合も、株主総会の特別決議が必要です。
この場合、本店の具体的な所在場所(地番)は、取締役会等で決定することになります。
そして、会社が本店を変更した場合には、2週間以内にその本店所在地において本店移転の登記を申請しなければいけません。
もし、本店を他の登記所の管轄へと移転した場合は、2週間以内に旧所在地の登記所で移転の登記を申請し、
新所在地の登記所では設立登記と同じ登記をする必要があります。
この際、旧本店所在地分と新本店所在地分の申請書をまとめて旧所在地の登記所に提出し、
新所在地における登記申請は、旧所在地を管轄する登記所を経由してなされることになります。
なお、同一管轄内での本店移転登記であれば登録免許税は3万円ですが、他の管轄への移転の場合、新旧それぞれ3万円なので合計で6万円となります。
また、住居表示の実施があったときも、2週間以内に変更の登記を申請する必要があります。
ただし、住居表示が実施されたことは法務局にも明らかですので、特にそれを証明する書類を提出する必要はなく、
当該変更登記が住居表示の実施に基づくものであることを証する市町村長の証明書を添付すれば登録免許税も免除されます。
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