アペンタクルから「減額和解のご提案」が届いたケースの解決事例
消滅時効が成立【アペンタクル株式会社⑧】
相談内容
山形県にお住まいの方から、アペンタクルの「減額和解のご提案」が届いたとご相談がありました。
20年以上前にワイドで借りた借金の請求でした。
ご本人曰く、10年以上は支払いをしておらず、連絡も一切取っていなかったということです。
減額提案に応じた方がよいのか自分では判断できないということで、当事務所にご連絡を頂きました。
以下のページで、アペンタクルの対処法を紹介しているので参考にしてください。
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解決手段の検討
アペンタクルから届いた「減額和解のご提案」を確認したところ、提案内容は以下のとおりでした。
和解内容
- 現在債務額 ➡ 408万円
- 減額金額 ➡ 332万円
- 一括和解提案額 ➡ 76万円
- ご提案期限 ➡ 令和6年○月○日まで
現時点での債務総額は408万円のところ、76万円を一括返済すれば、残りの支払い義務をすべて免除するという和解提案です。
一見すると減額金額が300万円を超えているので、支払い義務があるとしたら悪くない内容です。
ただし、消滅時効の適用があれば、元金を含めて一切の支払い義務がなくなります。
よって、時効の援用ができれば和解提案に応じる必要は一切ありません。
そこで、時効の援用ができるか検討することにしました。
ご融資の契約内容
- 最終貸付年月日 ➡ 平成16年
- 約定返済日 ➡ 平成19年
- 約定利率 ➡ 28.8%
- 損害利率 ➡ 29.2%
契約日は不明でしたが、平成16年に最後の借り入れをおこない、平成19年から支払いが滞っていることがわかりました。
裁判を起こされて判決を取られていると時効が10年更新しますが、ご本人の記憶ではこれまで裁判を起こされた覚えはありませんでした。
よって、今回は時効の可能性があるので、和解提案に応じる必要はないと判断しました。
時効が成立する条件
- 最後に支払いをしてから5年以上経過している
- 5年以内に支払いの話をしていない
- 10年以内に裁判を起こされていない
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そこで、当事務所が内容証明郵便を作成して、アペンタクルに対して時効の通知を送りました。
すると、その後はアペンタクルから請求を受けることは一切なくなりました。
これにより、減額和解の提案に応じることなく、400万円を超える借金を時効の援用によって消滅させることができました。
ご依頼件数5000人以上
アドバイス
かつてアペンタクルはワイドという社名で貸金業を営んでいましたが、今は廃業して既存の貸付金の回収のみをおこなっています。
よって、ワイドの借金を滞納しているとアペンタクルから請求を受けることがあります。
アペンタクルは原則的に減額や分割払いに一切応じませんが、ごく稀に以下のような記載がされた「減額和解のご提案」を送ってくることがあります。
貴殿とのお取引中の残高につきましては、平成○年○月○日支払分よりご返済が滞っております。
このままではお利息が増すばかりとなり、何ら解決に至りません。
そこで、当社と致しましてはこの状況を解決する為に、債務減額和解のご提案をさせて頂きます。
一括和解提案額 〇〇円
現在債務額 ○○円 減額金額 ○○円
一括でのご返済が困難な場合は、分割返済のご相談をお受け致します。
まずは当社までお電話を頂き、お客様の状況を当社担当者へお伝えください。
もしくは、同送のアンケート用紙に必要事項をご記入の上、ご返送頂いても結構です。
なお、今回の提案は令和○年○月○日までが有効期間となり、期日以降は無効となります。
ご連絡を心よりお待ちしております。
時効の可能性があると思われる場合は絶対にアペンタクルに電話をかけたり、アンケートを返送しないようにしてください。
なぜなら、振り込みをしたり、アンケートを返送すると債務承認となって時効が更新(リセット)するからです。
電話で話をしただけでも会話の内容によっては債務承認に該当するのでご注意ください。
債務承認に該当する行為
- 和解提案の支払いに応じて振り込む
- アンケートを記入して返送する
- 電話で支払い方法の相談をする
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アペンタクルの請求を放置していると自宅まで取り立てに来たり、裁判を起こされる可能性があります。
訪問された際にその場で対応してしまうと債務承認の危険があります。
不在の場合は訪問通知書が投函されていることがありますが、折り返しの電話は控えてください。
裁判を起こされた場合は宇都宮の裁判所から訴状が届きます。
訴状が届いた段階でご相談頂ければ、まだ時効の援用で対処できます。
これに対して、訴状を放置して指定された裁判期日までに答弁書を提出しなかった場合はアペンタクルの請求どおりの判決が出てしまいます。
判決が確定しまうと、もはや時効の援用で対処することはできません。
よって、なるべく訪問や裁判を起こされる前に時効の援用をおこなってください。
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10年以内に判決等の債務名義を取られている場合は時効になりません。
その場合は支払い義務がありますが、アペンタクルは原則的に分割や減額には一切応じません。
よって、損害金を含めた全額を一括で返済できないと解決が非常に困難で自己破産するケースもあります。
債務名義とは
- 仮執行宣言付支払督促
- 和解調書
- 確定判決
- 調停調書
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債務名義を取られていると時効の援用ができないだけでなく、アペンタクルから強制執行を受けるおそれがあります。
アペンタクルは積極的に差し押さえをしてくる傾向があり、家財道具などの動産、給与(ボーナス)、預貯金口座が狙われやすいです。
差し押さえをされることでも時効が更新するので、時効期間の経過を期待して放置するのは特則ではありません。
そればかりか、アペンタクルが裁判所に財産開示手続きの申し立てをしてきた場合はピンポイントで財産を差し押さえられてしまう危険があります。
なぜなら、財産開示手続きが実施されると指定された期日に裁判所に出頭しなければいけなくなり、その場で勤務先や口座の情報を答えなければいけなくなるからです。
その後は開示された財産に対してアペンタクルが差し押さえをしてくるので、会社員の場合は確実に給与の差し押さえを受けることになります。
正当な理由なく財産開示手続きを欠席したり、虚偽の情報を回答した場合は「6か月以下の懲役もしくは50万円以下の罰金」に処せられるおそれがあるのでご注意ください。
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ブラックリストに関しては心配する必要はありません。
なぜなら、貸金業の廃業に伴い、信用情報機関(JICC、CIC)に登録されていたブラックリストも抹消されるからです。
よって、借金が残っていても信用情報は既に回復しています。
もちろん、時効の援用をおこなうことであらたにブラックリストが登録されることもありません。
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お問い合わせ
当事務所はアペンタクルの時効実績が豊富にあるので、ご自分で対応できない場合はお気軽にご相談ください。
いなげ司法書士・行政書士事務所
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