アペンタクルの訴状が裁判所から届いたケースの解決事例
千葉いなげ司法書士事務所消滅時効が成立【アペンタクル株式会社⑦】
相談内容
埼玉県にお住まいの方から、アペンタクルの訴状が裁判所から届いたとご相談がありました。
２０年以上前にアペンタクル（ワイド）と契約した借金でした。
ご本人曰く、過去にも一度、裁判を起こされて和解をした覚えがあるということでした。
ただし、すぐに支払いができなくなって、それ以降は一切連絡も取っていなかったということです。
以下のページで、アペンタクルの対処法を紹介しているので参考にしてください。
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解決手段の検討
裁判所から送られてきたアペンタクルの訴状を確認したところ、契約内容は以下のとおりでした。
請求の原因
- 契約日 ➡ 平成１４年
- 和解成立日 ➡ 平成１６年
- 事件番号 ➡ 千葉簡易裁判所 平成１６年（ハ）第○○号
- 期限の利益喪失日 ➡ 平成１７年
- 残元金 ➡ ２１万円
- 利息・損害金 ➡ １１０万円
- 請求金額 ➡ １３１万円
平成１４年に契約したものの、返済ができなくなり、平成１６年にワイド（現アペンタクル）から裁判を起こされて、裁判上で和解が成立していたことがわかりました。
しかし、平成１７年には再び支払いができなくなり、今回が２度目の裁判でした。
裁判上で和解をした場合の時効は最後の支払いから１０年です。
債務名義を取られている場合の時効条件
- 最後に支払いをしてから１０年以上経過している
- １０年以内に支払いの話をしていない
- １０年以内に強制執行（差し押さえ）を受けていない
債務名義とは
- 和解調書（裁判上の和解）
- 確定判決
- 調停調書
- 仮執行宣言付支払督促
今回は一度裁判上で和解をしていましたが、訴状に添付されていた取引計算書を確認したところ、最後の支払いから２０年近く経過していました。
また、ご本人の記憶では１０年以内にアペンタクルと話をしたり、差し押さえを受けた覚えはありませんでした。
よって、今回は時効の可能性があると判断しました。
そこで、当事務所が内容証明を郵便を作成して、アペンタクルに対して時効の通知を送りました。
あわせて、ご本人に答弁書の書き方をお伝えして、裁判所に提出してもらいました。
すると、２週間後に裁判所から取下書が届きました。
これにより、１３１万円の借金を時効の援用によって消滅させることができました。
内容証明作成サービスであれば、裁判を起こされた場合も対応可能なので、まずはお気軽にお問い合わせください。
ご依頼件数５０００人以上
アドバイス
アペンタクルは宇都宮の中堅貸金業者だったワイドが商号変更した会社です。
現在はすでに貸金業を廃業していて、滞納されている債権の回収のみをおこなっています。
ただし、国の許可を受けた債権回収会社（サービサー）ではありません。
よって、ワイドの借金を滞納しているとある日突然、アペンタクルから請求を受けることがあります。
アペンタクルという社名に覚えがないからといって放置していると裁判を起こされることがあります。
その場合は宇都宮簡易裁判所から訴状が届きます。
この段階でご相談頂ければ、まだ時効の援用で対処できます。
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よって、裁判所から訴状が届いた場合は、すみやかに内容を確認して時効の援用をおこなってください。
具体的な対処方法は答弁書の提出です。
訴状には答弁書という書類が同封されており、裁判期日の１週間前までに裁判所に提出します。
もし、答弁書を提出せず、裁判も欠席した場合はアペンタクルの請求が認められてしまい、時効の援用ができなくなります。
ただし、答弁書は提出すればよいというわけではなく、アペンタクルの請求を認めたり、分割払いを希望してしまうと時効の援用ができなくなるのでご注意ください。
答弁書で時効の援用をおこなった場合、時効の更新事由がない限り、アペンタクルが裁判を取り下げます。
その場合、裁判所から取下書が届きます。
ただし、裁判が取り下げになると答弁書でおこなった時効の援用もなかったことにされて、アペンタクルからの請求が再開されるおそれがあります。
よって、裁判が取り下げになっても別途、内容証明郵便で時効の通知を送っておくのが安全です。
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裁判中にアペンタクルから以下のような記載がされた「確認書」が届くことがありますが、返送したり電話をかけないようにしてください。
先日、宇都宮簡易裁判所へ貸金請求の訴えを提起しましたが、これより裁判所にて開かれる口頭弁論に際し、お客様のご自宅に送達（又は送達中）の訴状記載の請求につき、裁判外の和解（裁判外での和解の場合は裁判所への訴えを取り下げます）など任意解決をご希望される場合は、口頭弁論期日までに下記連絡先へご連絡いただくと共に、本書面へお客様の状況、並びに必要事項をご記入の上、当社までご返送ください
もし、確認書を返送したり、電話をかけたり、ＱＲコードからお客様アンケートに記入して送信してしまうと、債務承認となって時効が更新します。
時効が更新した場合は、それまでの時効期間が何年あってもリセットされてしまいます。
よって、債務承認に該当するような行為は取らないようにしてください。
債務承認に該当する行為
- 電話で支払い方法の相談をする
- 確認書やお客様アンケートを返送する
- 借金の一部を振り込む
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そもそもアペンタクルは会社の方針として、分割払いや減額には一切応じません。
確認書には任意での話し合いに応じるような記載がありますが、これは時効の更新をさせるためのトラップなのでご注意ください。
もし、確認書やお客様アンケートを返送した場合は債務承認となって時効の主張が認められなくおそれがあります。
その場合はアペンタクルの請求が認められて判決が出てしまいます。
判決を取られた場合は時効が１０年延長されるだけでなく、アペンタクルから強制執行を受けるおそれがあります。
差し押さえの対象になるもの
- 動産（家財道具など）
- 給与
- 預貯金
- 不動産
アペンタクルは心理的なプレッシャーをかける目的で、回収見込みの薄い動産の差押えをあえておこなってきます。
その目的は動産の差押えをおそれた債務者に電話をかけさせて、仕事先や口座の情報を聞き出すことです。
もし、アペンタクルに電話で職場を伝えてしまうと、必ず給与の差押えをされます。
給与の差押えをされると毎月の手取り収入の４分の１に相当する金額を取られてしまうのでご注意ください。
債務名義を取られた場合は時効の援用ができず、放っておくと差し押さえもされます。
かといって任意整理で分割返済に応じることもないので、最後の手段として自己破産も選択肢となります。
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アペンタクルは既存の貸付金の回収のみをおこなっている「みなし貸金業者」なので、信用情報機関には加盟していません。
よって、時効の成否にかかわらず、信用情報にはブラックリストは登録されていません。
もちろん、時効の援用をすることで信用情報に悪影響を与えることは一切ありません。
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お問い合わせ
当事務所はアペンタクルの時効実績が豊富にあるので、ご自分で対応できない場合はお気軽にご相談ください。
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