代襲相続による相続登記

代襲相続というのは相続人になるはずだった人が、相続開始以前に死亡していた場合に、その子や孫が代わって相続人になる制度です。

死亡以外にも相続欠格、廃除の場合にも代襲相続は生じますが、相続放棄の場合には代襲相続は生じません。

令和5年に死亡した夫Aの相続人

☑ 妻B

☑ 長男C

☑ 次男D(令和4年死亡)

次男Dの相続人

☑ 妻E

☑ 子F

☑ 子G(未成年)

上記の事例では、令和5年に死亡した夫Aの法定相続人は妻B、長男C、子F、子Gの4人となります。

これは夫Aが死亡するより前の令和4年に次男Dが死亡しているため、次男Dの子F、子Gが代襲相続人になるからです。

妻Eは子Gが未成年者であるため、法定代理人として遺産分割に参加することになります。

もし、子F、子Gの2人とも未成年者である場合は、妻Eが2人の法定代理人になることは利益相反になるので、どちらか一方に特別代理人を付けなければいけません。

あわせて読みたい

代襲相続と紛らわしいものに数次相続があります。

あわせて読みたい

数次相続は、第1次相続の手続きをする前に第2、第3の相続が発生することをいいます。

上記の例では、妻B、長男C、次男Dの3人が遺産分割協議をする前に次男Dが死亡したようなケースです。

あわせて読みたい

数次相続では、夫Aの死亡時に次男Dは生きていたので、夫Aの相続人は妻B、長男C、次男Dの3人となります。

その後、次男Dが死亡したことにより、次男Dが有していた夫Aの相続権を妻E、子F、子Gの3人が承継します。

その結果、夫Aの遺産分割協議に参加する相続人は妻B、長男C、妻E、子F、子Gの5人で、妻Eが相続人になる点がポイントです。

ここがポイント!

代襲相続では妻Eは相続人とはならないが、数次相続では妻Eも相続人となる

被代襲者が亡くなった被相続人の子である場合、代襲者は直系卑属(孫、曾孫、玄孫など)なので、もし、孫もすでに死亡している場合は、法律上は曾孫(ひまご)、玄孫(やしゃご)へと再代襲します。

これに対して、被代襲者が兄弟姉妹の場合、甥姪までしか代襲しません。

つまり、「代襲相続によって相続人になる可能性があるのは兄弟姉妹の子(甥姪)まで」ということになります。

これは血のつながりの薄い、いわゆる「笑う相続人」を出さないためです。

ここがポイント!

相続人が兄弟姉妹の場合、代襲相続は甥姪まで

代襲相続が発生している場合、戸籍の内容をきちんと確認し、相続人が誰になるのかに気をつければ、あとは通常の手続きとなんら変わりはありません。

つまり、遺産分割による相続登記であれば、代襲相続人を含めた相続人全員で遺産分割協議書を作成すればよく、遺産分割協議を作成する際も、特に代襲相続人である旨を記載する必要はありません。

あわせて読みたい

ここがポイント!

代襲相続があっても相続登記は通常どおりの手続きでOK

無料相談 受付中!

無料相談

受付時間:平日9時~18時
電話番号:043-203-8336