消滅時効が成立【NHK受信料⑤】

NHK首都圏局から「放送受信料払い込みのお願い」が届いたケースの解決事例

東京都にお住まいの方から、NHK首都圏局から過去の未納分の受信料の請求書が届いたとご相談がありました。

現在は毎月受信料の支払いをしていて、今回は10年以上前の未納分の請求です。

ご本人曰く、支払いを再開したのは平成27年以降ということです。

未納分についてはできれば時効にしたいということで、当事務所にご連絡を頂きました。

NHK受信料にも時効の適用がありますが、直近5年分は対象外です。

よって、5年以上前の受信料の請求であれば時効の可能性があります。

そこで、NHK首都圏局から届いた「放送受信料払い込みのお願い」を確認したところ、請求内容は以下のとおりでした。

NHK受信料の請求内容

  • ご請求金額 ➡ 10万円
  • ご請求期間 ➡ 平成16年 ~ 平成23年
  • ご契約件数 ➡ 地上契約

ご本人が確認したところ、平成27年からはクレジットカードで受信料を支払っているということでした。

NHK受信料の場合、支払いを再開してから5年以上が経過していれば、それよりも前の未納分については時効援用が可能です。

現時点で支払いをしている場合に5年以上前の未納分の受信料に対する時効援用が成立する条件は以下のとおりです。

支払いを再開している場合に時効が成立する条件とは

  • 5年以上前の受信料である
  • 支払いを再開してから5年以上経過している
  • 5年以内に未納期間の受信料の支払いを認めるような言動を取っていない
  • 10年以内にNHKから裁判を起こされていない

今回は5年以上前の受信料(平成16~23年)で、支払いを再開したのが5年以上前の平成27年で、それ以降はNHKと未納期間の受信料について話をしたことは一切ありませんでした。

よって、今回は時効の可能性があると判断しました。

そこで、当事務所が内容証明郵便を作成して、NHK首都圏局に対して時効の通知を送りました。

すると、定期的に届いていた請求書はそれ以降は一切来なくなりました。

これにより、10万円の未納分の受信料を時効の援用によって消滅させることができました。

ご依頼件数5000人以上

NHK受信料の時効期間は借金の時効と同じく5年ですが、直近5年分は時効の対象外という点が異なります。

また、現時点で支払いをしていても、5年以上前の未納分であれば時効の援用ができる場合があります。

これは、現在の受信料に対する支払いが、過去の未納分の受信料に対する債務承認とはならないからです。

しかし、支払いを再開したのが5年以内の場合は時効になりません。

なぜなら、支払いを再開する際に「放送受信料支払期間指定書」という書類にサインをするのですが、これが過去の未納分の支払いを認める内容になっているからです。

よって、支払いを再開してから5年以上経過していないと、過去の未納分の受信料に対する時効の援用はできないということになります。

また、5年以内に未納分に対して以下のような行為があると債務承認となって時効が更新(リセット)します。

債務承認に該当する行為とは

  • 訪問してきた集金人に未納期間の支払いを認めるような発言をする
  • 未納期間の支払いを承認する内容の書類にサインをする
  • 実際に未納期間の受信料の支払いをしてしまっている

あわせて読みたい

NHKから委託された集金人に「1か月分でよいので払ってください」と言われてその場で支払いをしてしまうと、過去の未納分に充当されてしまい時効が更新してしまいます。

よって、集金人に支払いをしたのが5年以内の場合は時効の援用ができない可能性があります。

また、支払いを再開していない場合であっても、5年以内に未納期間の受信料の支払いについて話をしたり、書類にサインをしている場合は時効が更新してしまいます。

もし、契約者がすでに死亡しているにもかかわらず、未納分の請求がきた場合は相続人が時効の援用をおこなうことができます。

これはNHK受信料も相続の対象になるからです。

ただし、すでに裁判所に相続放棄が受理されている場合は、裁判所から発行された相続放棄申述受理通知書をNHKに郵送すれば請求は来なくなります。

相続放棄の申立ては原則的に自分が相続人になったことを知ってから3か月以内におこなう必要があります。

よって、すでに3か月以上経過している場合は相続放棄の申し立てをおこなうことはできません。

ただし、これには例外があり、NHKからの通知で初めて被相続人に受信料などの負の遺産があることを知ったような場合は、そこから3か月以内であれば相続放棄が認められる場合があります。

3か月過ぎた相続放棄が受理される条件とは

  • 被相続人の遺産を一切相続していない
  • 相続当時の調査で被相続人に借金などのマイナスの財産があることがわからなかった
  • NHKからの通知で初めて被相続人に負債があることを知った

相続放棄と時効援用の両方が選択できる状況であれば、まずは相続放棄を先におこなうのが安全です。

なぜなら、先に時効援用をしてしまうと相続を承認したことになってしまうので、時効が成立しなかった場合にあとから相続放棄に切り替えることができなくなるおそれがあるからです。

よって、預貯金や不動産等の遺産が一切ないようなケースであれば、まずは相続放棄をしてみて、受理されなかった場合に時効の援用をおこなうのが安全です。

当事務所はNHK受信料の時効実績が豊富にあるので、ご自分で対応できない場合はお気軽にご相談ください。

いなげ司法書士・行政書士事務所

お電話 043-203-8336(平日9時~18時)

LINEで無料相談されたい方は「友だち追加」をクリックしてください

※LINE相談のご利用件数が1万人を突破しました!

友だち追加ボタン

(友だち追加のURL)https://lin.ee/eQiyW85

無料相談 受付中!

無料相談

受付時間:平日9時~18時
電話番号:043-203-8336