中央債権回収から「お支払についてのご提案」が届いたケースの解決事例

消滅時効が成立【三菱UFJニコス → 中央債権回収②】

東京都にお住まいの方から、中央債権回収株式会社から「お支払についてのご提案」が届いたとご相談がありました。

以前、利用していた三菱UFJニコスの借金でした。

この件については10年くらいは連絡がなかったそうです。

そこで、できれば時効にしたいということで当事務所にお問い合わせいただきました。

以下のページで、中央債権回収の対処法を紹介しているので参考にしてください。

10年くらい連絡がなかったということなので、時効の可能性があるか確認することにしました。

時効が成立する条件

  • 最後の支払いから5年以上経過している
  • 10年以内に裁判を起こされていない
  • 5年以内に支払いを認めるような話をしていない

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中央債権回収から送られてきた書類の中に【明細書】がありました。

それによると請求内容は以下のとおりでした。

契約内容

  • 原債権者 ➡ 三菱UFJニコス株式会社 
  • 契約年月日 ➡ 2000年
  • 債権譲渡日 ➡ 2022年
  • 損害金利率 ➡ 14.6%
  • 残元金 ➡ 144万円
  • 損害金 ➡ 274万円
  • 合計金額 ➡ 418万円

2000年に三菱UFJニコスと契約をしたものの、その後に返済が滞り、2022年に債権が中央債権回収に譲渡されていたことがわかりました。

滞納が始まった時期ははっきりとわかりませんでしたが、損害金が元金の2倍程度になっていたので、10年以上は支払いをしていないことは確実と思われました。

ご本人の記憶では、これまでに裁判を起こされたことはないということです。

なお、三菱UFJニコスから中央債権回収に債権が譲渡されてから5年以内でしたが、債権譲渡は時効の成否に影響しません。

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そこで、当事務所が内容証明郵便で中央債権回収に時効の通知を送りました。

すると、その後は中央債権回収から請求を受けることはなくなりました。

これにより、400万円超の借金を時効の援用によって消滅させることに成功しました。

ご依頼件数5000人以上

中央債権回収株式会社はプレミア株式会社の子会社で、借金の回収を専門におこなっているサービサーです。

三菱UFJニコスの債権を譲り受けていることが多く、中央債権回収の大阪支店から請求書が届くことがあります。

ただし、時効期間経過していることが多いので、以下のような記載がある「お支払についてのご提案」が届いても慌てて電話をかけないようにしてください。

貴殿と三菱UFJニコス株式会社間のクレジットに基づく債権につきまして、現債権者で有ります弊社から下記のご提案をさせて頂きます。

早期解決に向けまして、話し合いの機会を頂きたいと考えておりますので、誠にお手数とは存じますが、この機会を逸することなく是非ご相談ください。

ご連絡をお待ち申し上げます。

ご提案としては【A:残金一部免除にて完済『終結』、B:分割希望額にて対応】を考えています。

引用元:中央債権回収株式会社の『お支払についてのご提案』

一括返済の場合は残金を一部免除してくれるという内容ですが、時効が成立した場合は遅延損害金のみならず、元金についても一切支払う必要がなくなります。

よって、時効の援用で支払い義務を消滅させる方が断然お得です。

しかし、お支払についてのご提案に反応してしまい、電話で今後の支払いについて相談してしまうと債務を承認したことになって時効が更新(リセット)するのでご注意ください。

債務承認になる発言とは

  • 減額してほしいと持ち掛ける
  • 分割にならないかと相談する
  • もう少し待ってほしいとお願いする

要は自分に支払い義務があることを認めたうえで、支払方法の話をすると債務承認に該当します。

三菱UFJニコスの支払いを数か月滞納すると信用情報(CIC、JICC)ブラックリストが登録されます。

一度、信用情報がブラックになると基本的には完済するか時効が成立しない限り、延滞情報が消えることはありません。

ただし、これには例外があり、債権がサービサーや貸金業登録をしていない会社に譲渡されると、原債権者である三菱UFJニコスのブラックリストがCICでは5年、JICCでは1年で抹消されます。

これは完済の有無や時効の可否に関係ないので、債権譲渡から5年で信用情報が回復することになります。

滞納してから10年も経過していると、契約者がすでに死亡しているケースがあります。

そのような場合、相続人に借金が引き継がれます。

ただし、相続人が裁判所に相続放棄の申し立てをしている場合は初めから相続人ではなかったことになるので、相続放棄申述受理通知書を中央債権回収に提出すれば請求がストップします。

これに対して、相続放棄をしていない場合は相続人が時効の援用をおこなうことができます。

相続放棄と時効援用の両方を選択できる場合は、先に相続放棄をおこないます。

なぜなら、時効の援用をしてしまうと相続を承認したことになって、あとから相続放棄ができなくなるおそれがあるからです。

相続放棄は自分が相続人になったことを知ってから3か月以内におこなう必要があります。

ただし、中央債権回収からの通知で初めて被相続人に借金があることを知ったような場合は、そこから3か月以内であれば相続放棄が受理されることがあります。

よって、契約者が死亡してから数年経過していても、以下の条件をクリアしている場合は相続放棄ができるか検討する必要があります。

3か月過ぎた相続放棄が認められるには

  • 不動産や預貯金を一切相続していない
  • 相続当時の調査では借金があることがわからなかった
  • 中央債権回収からの通知で初めて被相続人に借金があることを知った

当事務所は中央債権回収の時効実績が豊富にあるので、ご自分で対応できない場合はお気軽にご相談ください。

いなげ司法書士・行政書士事務所

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