中央債権回収から「債権譲渡通知書」が届いたケースの解決事例
消滅時効が成立【三菱UFJニコス → 中央債権回収株式会社】
相談内容
大阪府にお住まいの方から、中央債権回収株式会社から「債権譲渡通知書」が届いたとご相談がありました。
10年以上前から滞納している三菱UFJニコスの請求とのことです。
今まで中央債権回収から連絡がきたことはなく、初めて封筒が届いたので色々調べた結果、当事務所に連絡をされたそうです。
中央債権回収には電話はしておらず、これまでに裁判も起こされた記憶はないということでした。
以下のページで、中央債権回収の対処法を紹介しているので参考にしてください。
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解決手段の検討
ご本人の記憶では、10年以上前から滞納していて裁判も起こされたことがないということでしたので、時効の可能性がありそうでした。
時効が成立する条件
- 最後の返済から5年以上経過している
- 10年以内に相手から裁判を起こされていない
- 5年以内に相手と返済に関する話をしていない
そこで、中央債権回収から届いた「債権譲渡通知書」を確認したところ、三菱UFJニコス株式会社が2022年(令和4年)3月31日付で、クレジット契約に基づく債権を中央債権回収に譲渡していたことがわかりました。
債権譲渡通知書の他には東京法務局で発行された「登記事項概要証明書」がありました。
これは債権譲渡したことを第三者に対抗(主張)するために、法務局で債権譲渡登記をおこなったことの書類です。
そこには【譲渡人】の三菱UFJニコス株式会社と【譲受人】の中央債権回収株式会社の記載と【債権譲渡がおこなわれた日付】や【債権の総額】等の記載はありますが、ご本人と三菱UFJニコスとの個別の契約内容の記載はありません。
そのため、中央債権回収株式会社から届いた書類で残元利金が約170万円であることはわかりましたが、滞納がいつから始まり、裁判を起こされているか等については一切わかりませんでした。
今回は中央債権回収株式会社に電話をしていなかったので、時効の更新(リセット)の心配はありませんでした。
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もし、当事務所にご相談をされる前に中央債権回収に電話をして、以下のような話をしたような場合は債務承認に該当して時効が更新してしまうおそれがあります。
債務承認になる発言
- お金がないから払えない
- 一括は無理だから分割払いにして欲しい
- 損害金を免除して欲しい
つまり、支払いの猶予や分割や減額のお願いをすると債務承認に該当して時効がリセットされてしまうおそれがあるということです。
なぜなら、このような発言は自分に支払い義務があることを前提にした発言だからです。
これに対して、「分からない」「身に覚えがない」「専門家に相談する」といった発言であれば、支払いを認めていないので債務承認には該当しません。
中央債権回収から届いた書類では、契約内容の詳しいことまではわかりませんでしたが、時効期間や裁判と債務承認の有無については問題なさそうであったため、内容証明郵便で時効の通知を送ることにしました。
今回はご本人が大阪にお住まいで当事務所へのご来所ができなかったので、内容証明作成サービスで対応です。
ご依頼件数5000人以上
その後は無事に時効が成立して中央債権回収からの請求もすぐに止まりました。
その結果、総額で170万円の借金を消滅させることができました。
アドバイス
中央債権回収株式会社は、カープレミアなど自動車関係の事業を展開しているプレミアグループの債権回収会社(サービサー)で、株主はプレミア株式会社です。
よって、プレミア株式会社で自動車ローンを利用して滞納した場合は、中央債権回収から請求を受けることがあります。
今回の債権譲渡日は2022年(令和4年)でしたが、5年以内に債権が譲渡されているからといって時効にならないということはありません。
つまり、債権譲渡は時効の成否には一切影響しません。
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債権譲渡が法務局で登記されていても同じです。
債権譲渡登記は債権譲渡をしたことを第三者に対抗(主張)するための手続きであって、時効の更新事由には該当しません。
あくまでも最後の返済から5年以上経過しているかどうかが重要です。
今回のように債権者から届いた書類を見ても、滞納時期の記載がないことは珍しくありません。
そういった場合に滞納がいつ頃から始まったのか調べ方としては、CIC、JICCなどの信用情報機関で自分の信用情報を開示してみるという方法があります。
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三菱UFJニコスなどの貸金業者は信用情報機関に登録しています。
返済が数か月滞るとCICでは「異動」、JICCでは「延滞」という文字と延滞が始まった日付が登録されます。
これがいわゆるブラックリストといわれるものです。
一度、ブラックリストが登録されると完済するか時効が成立しない限り、抹消されることはありません。
しかし、債権が貸金業登録をしていない会社や債権回収会社(サービサー)に譲渡されると、JICCでは1年、CICでは5年でブラックリストが抹消されます。
よって、譲渡会社のブラックリストが抹消される前に信用情報を開示すれば、いつから滞納が始まったのかがわかります。
ただし、滞納が始まった日付はわかりますが、最後の返済がいつだったのかはわかりません。
ブラックリストが登録されてから一度も返済をしていなければ、そこから5年以上経過しているかどうかで時効の可能性がある程度わかります。
これに対して、ブラックリストが登録されてからも返済を継続していた場合、あくまでも時効の起算日は最後の返済日となります。
もちろん、当事務所にご来所いただけるケースであれば、債権者からこれまでの取引履歴を開示してもらうなどの債務調査をおこなうことができるので、ご自分で信用情報を取り寄せる必要はありません。
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