過払い金と生命保険の相続

当事務所では、相続関連の業務の他に、債務整理関連の仕事も数多くやっています。

 

債務整理の業務の一環として、払いすぎた利息を貸金業者から回収する、いわゆる過払い金請求というものがあります。

 

この過払い金というのも、遺産の対象になりますので、もし、亡くなった方に多額の借金があったような場合、直ちに相続放棄するのではなく、貸金業者から取引履歴を取り寄せて、利息制限法で引直計算してみる必要があります。

 

引き直し計算をすることで、実際には借金はすでになくなっていて、逆に多額の過払い金が発生しているケースもあります。

 

もし、過払い金 が発生していれば、相続人から貸金業者へ請求することができます。

 

よって、サラ金など金利が高いところと、長年取引をしていたような場合には、相続放棄をする前に過払い金の有無をチェックして、「過払い金>負債」であれば、放棄せずに相続人から過払い請求し、「過払い金<負債」であれば、相続放棄をするといった選択を取るのがよいかと思われます。

 

次は、生命保険と相続のお話です。

 

生命保険の受取人が指定されている場合、保険金は相続財産の対象にはなりません。

 

しかし、受取人が被保険者(保険加入者)より先に死亡した場合は問題となります。

 

たとえば、父が被保険者で母が受取人で、子供が1人いるとします。

 

父が先に亡くなれば、保険金は母が受け取ることになり、保険金が遺産分割の対象になることはありません。

 

しかし、母が父よりも先に亡くなっていると、受取人としての権利が、母の相続人 である子供に承継されます。

 

よって、父が亡くなった場合は、子供が亡母に代わって保険金を受け取ることになります。

 

なお、保険金の請求権は原則的に2年で時効になりますのでご注意下さい。

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