郵送による戸籍の取り寄せ|相続登記の登録免許税の免税措置
相続登記の登録免許税の免税措置と郵送による戸籍の取り寄せの解説
郵送による戸籍の取り寄せ
相続 を原因とする不動産の名義変更などでは、亡くなった方の15歳頃からの連続した戸籍が必要になります。
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大抵の人は、戸籍はいくつかの役所にまたがっています。
例えば、産まれたときの戸籍が、東京都でも、その後、独立し結婚したのを機に大阪府に転籍したり、さらに、その後、引っ越しを機に北海道に転籍していたり・・・など様々です。
こういった場合、遠方の戸籍を取るのにわざわざその役所まで出向く必要はありません。
当然といえば当然ですが、そういった場合は郵送で送ってもらうことができます。
戸籍を取るのは一見簡単そうですが、漏れなくすべての戸籍を取るにはキチンと戸籍を読み取る力が必要です。
そのため、私もこの仕事をし始めたときは、戸籍が一部漏れていたこともあり、慣れるまで苦労しました。
一般の方ではなおさらでしょうから、戸籍は取れるところまで自分で取って、あとはお任せというのがいいかなと思います。
司法書士は相続登記の依頼を受けた場合、職権で戸籍を取ることができます。
よって、依頼を受けた際は相続人に代わって、被相続人の出生近くまでの戸籍を代わりに取ることが一般的です。
相続人が兄弟姉妹の場合の戸籍の提出範囲
被相続人に子どもがおらず、両親や祖父母もいない場合、兄弟姉妹が相続人になります。
その際に提出する戸籍の範囲ですが、まずは原則どおりに被相続人の出生近くから死亡するまでのすべての戸籍が必要になります。
これによって、被相続人に子どもがいないことを証明します。
次は、被相続人の両親の出生近くから死亡するまでのすべての戸籍も必要です。
この際は母親だけでなく、父親のすべての戸籍が必要です。
なぜなら、父母双方のすべての戸籍を確認しないと、今までに会ったこともない兄弟姉妹が他にいるかもしれないからです。
例えば、父が再婚だった場合に離婚した妻との間に子どもがいれば、再婚前の父の子どもと再婚後の父の子どもは異母兄弟となります。
これをいわゆる「腹違いの兄弟」といいます。
これに対して、母が再婚だった場合は異父兄弟となります。
異父兄弟や異母兄弟にも相続権はあります。
よって、兄弟姉妹の範囲を確定するには父母双方の出生から死亡までのすべての戸籍が必要になるわけです。
兄弟姉妹の相続分
兄弟姉妹が相続人の場合に気を付けなければいけないのは法定相続分です。
なぜなら、父母双方が同じ兄弟姉妹と父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹では法定相続分が異なるからです。
これは民法900条4号で以下のように規定されているためです。
子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。
ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。
民法900条4号
民法900条4号但し書きによって、父母双方を同じくする兄弟姉妹がいる場合は、異父兄弟と異母兄弟の相続分は父母双方が同じ兄弟姉妹の半分となります。
ただし、遺産分割協で相続人全員で合意すれば、遺産を自由に分配することができます。
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婚姻していない父母の子は「非嫡出子」と呼ばれ、父から認知されない限りは相続権はありません。
以前は非嫡出子の相続分は嫡出子の半分でしたが、民法の改正によって平成25年9月5日以降に発生した相続では、嫡出子と同等になっています。
相続登記の登録免許税の免税措置
相続による不動産の名義変更をする際に支払う必要がある登録免許税ですが、こちらの税率は1000分の4となっています。
基準となるのは、不動産の固定資産税評価額です。
評価額を調べたい場合は、役場の資産税課に行けば、評価証明書というものも発行してもらえます。
たとえば、評価額が1000万円の不動産であれば、登録免許税は4万円ということになります。
この計算だと、1億円だと登録免許税だけで40万円にもなります。
登録免許税は、だれが登記申請をしてもかかります。
よって、登録免許税は司法書士に頼まずに自分でやったとしてもかかるわけです。
1000分の4は高いか安いかですが、個人的には1000分の1くらいでいいと思います。
そんな相続登記の登録免許税がタダになる免税措置があります。
相続登記の免税措置
- 相続によって所有権を取得した方が相続登記をしないで死亡した場合の登録免許税の免税措置
- 不動産の価額が100万円以下の土地に関する登録免許税の免税措置
一つ目の免税措置は、個人が相続によって「土地」の所有権を取得した場合です。
この場合の相続には、相続人に対する遺贈も含みます。
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土地の所有権を相続した個人が相続登記をする前に死亡したときは、2018年(平成30年)4月1日から2025年(令和7年)3月31日までの間に、当該個人を当該土地の所有者にする際の相続登記の登録免許税は免除されます。
登録免許税の免税措置の適用を受けるには、免税の根拠となる法令の条項を申請書に記載する必要があります。
よって、申請書に「租税特別措置法第84条の2の3第1項により非課税」と記載する必要があります。
もし、記載がない場合は、免税措置は受けられないのでご注意ください。
二つ目の免税措置は、土地について相続登記をする際に、不動産の価額が100万円以下の土地であれば、平成30年11月15日から令和7年3月31日までに申請された相続登記の登録免許税が免除されます。
これは相続人に対する遺贈の場合にも適用されます。
また、土地の表題部所有者の相続人が所有権保存登記をする場合は、2021年(令和3年)4月1日から2025年(令和7年)3月31日までの申請に適用されます。
こちらも登録免許税の免税措置の適⽤を受けるためには、申請書に免税の根拠となる法令の条項を記載する必要があります。
よって、申請書に「租税特別措置法第84条の2の3第2項により⾮課税」と記載する必要があります。
記載がない場合は、免税措置は受けられないのでご注意ください。
司法書士に依頼をする場合は当然、免税措置を把握しているので、特に何も言わなくても大丈夫です。
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