過払い金と自己破産
自己破産の手続き中に、超過利息の返還請求をすることは珍しいことではありません。
そこで、今回は自己破産と過払い金の関係について書きたいと思います。
自己破産には、大きく分けて2種類あり、
1. 同時廃止事件
2. 破産管財事件
に分けられます。
同時廃止事件は、どういった場合かを一言でいえば
「自己破産を認めるのに大きな問題がない」
場合です。
対して、破産管財事件になる場合を一言でいえば
「自己破産を認めるのに問題がある場合」
となります。
では、どういった場合に問題ありとされるかが問題となります。
主なものは大きく分けると
1. 借入原因に問題がある場合(ギャンブルや浪費など)
2. まとまった財産がある場合
貸金業者が得た不当利得が問題になるのは、超過利息も財産として扱われるからです。
自己破産では、およそ20万円以上の財産があると処分の対象になる可能性があります。
そのため、過払い金が20万円以上を超えると、それが原因で破産管財事件になる可能性が出てきます。
具体的にどの程度の金額で管財事件になるかは、各裁判所の運用によって異なりますので、一概にいくらとは言えません。
また、各裁判官の判断に任されているため、同じ金額であっても管財事件になったり、同時廃止事件で済んだり、結果が分かれることは十分に考えられます。
なお、実務上では貸金業者から払い過ぎた利息を回収できた場合には、まずは司法書士や弁護士の報酬に充当することは特に問題ありません。
報酬に充当してもなお余剰が出る場合、それを管財人費用に充てたりすることもよくあります。
よって、現実的には50万円を超えるような不当利得金が発生すると、報酬や管財人費用に充ててもなお余剰が発生する可能性が出てくるので、管財事件になる可能性が高くなると思われます。
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