株式会社設立後の届け出

株式会社の設立は法務局でおこないますが、設立手続きが完了したら以下の書類を税務署に提出する必要があります。

 

1. 法人設立届出書

 

2. 青色申告の承認申請書

 

3. 給与支払事務所等の開設届出書

 

4. 棚卸資産の評価方法の届出書

 

5. 消費税関係の届出書

 

法人設立届出書を提出する際は、定款のコピーと会社の登記事項証明書を添付し、設立後2ヶ月以内に管轄税務署に提出します。

 

なお、税務署以外にも地方自治体に、設立から2週間から1ヶ月以内に提出する必要がありますので注意が必要です。

 

青色申告は、個人の確定申告と同様に、様々な特典が与えられており、代表的なものには、当年度の赤字を7年間繰越控除や、当年度の赤字を前年度の黒字と繰戻還付する制度などがあります。

 

もし、設立当初から青色申告の適用を受けたいのであれば、設立後3ヶ月を経過した日もしくは設立第1期の事業年度終了日のいずれか早い日の前日までに申請書を提出しなければなりません。

 

給与支払事務所等の開設届出書は、源泉所得税に関する書類ですが、これは最初の給料を支払った後1ヶ月以内に提出する必要があります。

 

そして、源泉徴収をおこなうことで会社が預かった従業員の所得税は、原則的に給与を支払った月の翌月10日までに納めなければいけませんが、小規模な会社が毎月10日までに納めるのはかなりの事務負担になります。

 

そこで、従業員の数が常時10人未満の小規模会社は、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書を提出すれば、年2回(1~6月分を7月10日まで、7~12月を翌年1月10日まで)の納付にすることが可能です。

 

もし、納付が遅れれば不納付加算税と延滞税が発生するので要注意といえます。

 

棚卸資産の評価方法は、通常は最終仕入原価法という年度末の最後に仕入れた金額を原価として評価する方法を採用しますが、それ以外にも個別法、先入先出法、総平均法、移動平均法、売価還元法といった方法もあります。

 

棚卸の評価次第で税額が大きく変わることもありますので、もし、最終仕入原価法以外を選ぶ場合は、設立第1期の事業年度の確定申告書の提出期限までに棚卸資産の評価方法の届出書を提出する必要があります。

 

また、自動車や機械などの減価償却資産には、法律で耐用年数が決められています。

 

個人事業のときは、毎年同じ金額を計上する定額法が原則でしたが、会社の場合は初年度に金額が大きく、その後毎年徐々に金額が減っていく定率法が原則になります(耐用年数10年⇒1年目25万円、2年目⇒19万円、3年目⇒14万円)。

 

会社の場合、原則はこの定率法ですが、もし、個人事業時代のように定額法にしたい場合は、減価償却資産の償却方法の届出書を税務署に提出すれば変更することが可能です。

 

消費税が課税されるのは、2期前の課税売上高が1000万円を超える業者ですが、新たに設立した会社には2期前という基準期間が存在しないため、設立時の資本金が1000万円未満であれば、原則的に設立後2年間は消費税を納める必要がありません。

 

もし、資本金が1000万円以上の場合は、1年目から消費税を納めなければいけませんが、課税売上高が5000万円以下の中小業者であれば簡易課税という制度を選択することができます。

 

これは、売り上げに一定割合を掛けて納付額を算出するので、本体価格と消費税を分けずに済むため事務手続きが簡単で済みます。

 

また、簡易課税の方が消費税の納税額が安いのであれば、結果的にその分節税になります。

 

もし、簡易課税を選択するのであれば、最初の事業年度の終了日までに、消費税簡易課税制度選択届出書を提出します。

 

なお、設立時に資本金が1000万円以上であれば、消費税の新設法人に該当する旨の届出書を提出する必要があります。

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