NPO法人の特色

近年、NPO法人の認知度も上がってきましたが、実際にはどういった組織なのかを知っている方は少ないと思います。

 

NPOとは「NonProfit Organization」の略で、日本語では特定非営利活動法人といいます。

 

その名のとおり、NPOの活動は営利を目的としないため、NPOの構成員に対して収益を分配することを目的としていません。

 

そのため、各NPOは様々な社会貢献活動をおこなっていますが、法律で20分野に限定されています。

 

社会貢献活動をおこなっているのはNPOに限らず、各種当事者団体やその家族会、自治会などの地域団体や市民団体、各企業や個人商店、個々のボランティアといった組織や個人も、それぞれの立場で様々な形で社会貢献活動をおこなっています。

 

これまでの社会貢献活動は、寄付や補助金に依存していたり、本業の空き時間におこなうことが多く、そのため長続きしないことも少なくありませんでした。

 

なぜなら、社会貢献をしたくても、まずは自分の生活がありますし、活動をおこなうにも諸々の費用がかかるからです。

 

また、寄付や補助金をもらうために活動範囲が縛られ、当初の理念通りに自由な活動ができないという弊害も出てくるようになりました。

 

こういう状況の中、近年では社会起業、コミュニティ・ビジネスと呼ばれる事業モデルが脚光を集めるようになってきました。

 

この事業モデルでは、社会貢献を第一の目的としながらも、ビジネスとして事業をおこない、その事業活動で得た収益を構成員に分配するのではなく、次の事業のために使います。

 

自分達の活動で得た収益をもとに事業活動をおこなうため、寄付や補助金を得るために活動が制約されることもなく、本来の理念に沿った活動をおこなうことが可能となります。

 

こうした新たな事業モデルは、法人格を持たない任意団体としておこなっている団体もあれば、株式会社等の法人格を得ておこなっている組織もあり様々です。

 

しかし、現実的には法人格のない団体よりも、きちんと登記されている団体の方が社会的な信用は得られます。

 

そこで、特定非営利活動法人という新たな法人格を与えて、積極的に社会貢献活動をしたもらおうというのが、NPO法人誕生の由来です。

 

NPO法人は非営利ではあっても、活動するには事務所の家賃や人件費等の費用がかかるので、これらの必要経費を調達し、NPO法人としての活動を安定的なものとするためには、継続した収入が欠かせません。

 

NPO法人は非営利という名前が入っているのだから、事業収入を得るのはおかしいのではないかと思われる方もいるかもしれませんが、得た収入をあくまでもそのNPO法人の活動のために使うのであれば、収入を得る目的が社会貢献活動であることに変わりありません。

 

よって、NPO法人がその社会貢献活動によって収益を得ることは、当該法人を維持・運営する観点からも全く問題がないわけです。

 

とはいえ、実際にNPO法人がその社会貢献活動から、継続して安定した収益を得ることは容易ではありません。

 

そのため、事業収入の他に会員を募集して会費を徴収するという方法も合わせておこなうと効果的です。

 

会費を徴収するには会員数を増やし、かつ、長期間にわたって会員でいてもらう必要があるわけですから、徴収した会費の使途を透明にし、事業活動の報告を定期的に会員に報告するといったことが欠かせません。

 

ここまでみてくるとNPO法人の資金調達方法が以下の4つに絞られることが分かります。

 

1. 事業収入

 

2. 会費の徴収

 

3. 寄付金

 

4. 補助金・助成金

 

やはり、一番大切なのは事業収入で、これが安定しないとNPOの活動も満足におこなうことができません。

 

事業収入が多少少ないときでも、安定した額の会費が見込めれば、より一層そのNPOの活動は安定してきます。

 

寄付金は、時期によってもバラつきがあるので、寄付金に頼るのは危険で、補助金等ももらえると決まっているものではないので同様です。

 

また、活動資金の確保と共に重要なのは人材の確保です。

 

NPO法人が社会貢献活動をする以上、たくさんの人の協力は欠かせません。

 

具体的には、当該NPO法人の役員として活躍してもらう人材、当該NPOの会員として事業を応援してもらったり、ボランティアや正(臨時)職員等のスタッフとして働いてもらうことになります。

 

NPO法人は、営利目的ではない以上、志を共有し、意欲的に活動に取り組んで人でないと長続きしないので、単に求人案内を出せばよいというのではなく、それまでのボランティア活動での人脈で紹介してもらったり、各種シンポジウム等の場で求人広告を出すといった一般企業とは違った人材募集が重要となります。

 

このようにNPOといっても、法人として長期的に活動するためには、経理や人事面も大切になってくるのは株式会社等と変わらないといえるでしょう。

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